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1年前は左手痛の苦難乗り越えた地 渋野日向子がメジャー舞台でつかみたい「きっかけ」

<シェブロン選手権 事前情報◇17日◇ザ・クラブ at カールトン・ウッズ(テキサス州)◇6889ヤード・パー72>現在の大会名に変わった2年前は4位、昨年も28位。コースはミッションヒルズCCとザ・クラブ at カールトン・ウッズと違うが、ともに日本勢最上位になっているメジャー大会を前に、渋野日向子は「そんなにいいゴルフができていないなかで、なにかきっかけがつかめたら」と願いを込める。

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2週前の「T-モバイル・マッチプレー」を終えた後は、米国に残り調整。スイングやウェッジの距離感の確認に多くの時間を割いた。ここまで4試合連続予選落ちで、獲得ポイントはゼロと苦しい時間が続くが、その打開に向けクラブを振ってきた。先週の木曜日にテキサスに入り、土曜日、月曜日、火曜日、そして開幕前日の水曜日で合計2ラウンドを回った。「(グリーンが)硬い。傾斜もすごいし、やっぱりメジャーセッティングにしてるなぁ」。こんな部分に警戒を強める。“得意大会”とも言えるが、その意識について聞かれると「ないです(笑)。特に覚えてないから」という答えが返ってくる。1年前の記憶は、左手の親指付近に発症した痛みとも戦っていたこと。ウェッジとパターだけを持って、練習ラウンドをしていたことを思い出す。「それでスコアが出た(トータル1オーバー)から自信にはなったかなと思います。(今とは)また違いますけど」。ここは苦しい現状を乗り越える大会のようにも感じる。今、渋野が“つかみたいきっかけ”は、「ショットに自信があまりないなかで、グリーン回りでも気持ちを引きずってしまうことが多い。やっぱりスコアがよければいいとは思うんですけどね。ただ内容も頑張りたい」。ここまでの今季パーオン率は56.94%(145位)で平均パット数は1.86(127位)。平均飛距離は255.21ヤードとしっかり250ヤード超を記録し、フェアウェイキープ率も76.79%(45位)とまずまずの数値といえる。言葉と数字がリンクする。先週は練習の合間に男子メジャーの「マスターズ」をテレビ観戦するなどリフレッシュもできた。「やっぱすげえなって。シェフラーもすごかったけど、(2位だったスウェーデンの)オーバーグはアディダス(契約)の選手で、プレースタイルもいいなと思いながら応援してました。結果的には4打差でしたけど、めちゃくちゃいいゴルフをしてましたよね」。1月にハワイで行われたアディダスのイベントで会っていた24歳の新星の活躍が印象に残った。そして同じ“チーム”、同じショットメーカーの躍進は刺激にもなる。2019年の「AIG女子オープン」(全英)を制したのはもちろん、その後も20年「全米女子オープン」4位、22年AIG女子オープン3位、そして2年前の今大会と、何度もメジャー大会で優勝争いを繰り広げている。大舞台には“縁”もある。「4日間しっかり戦って、いいゴルフが一回でもできるように頑張ります」。全長6889ヤードのコースのなかで、浮上への“きっかけ”を探す。(文・間宮輝憲)

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