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勝みなみが大事にする“言霊”と“爆発力” 米2年目へ「自分に期待したいし、自分らしいプレーを」【単独インタビュー】

昨季から米国女子ツアーに主戦場を移した勝みなみは1年間を戦い抜いた。ポイントランキング74位でシード権を獲得し、米2年目へと突入する。単独インタビューでこの1年間の葛藤、成長、そしてこれからについてを聞いた。

驚き…ラクダに乗る勝みなみ【写真】

◇シード権のボーダーラインとの戦いが続くなか、予選落ちが続いたり、上位争いになかなか食い込めないもどかしい時間が続いているときでも、ネガティブな言葉を使わずに、前向きに過ごしていた姿が印象に残っている。「落ち込む性格でもないので…。言霊は大事だなと思ったり、話すことで自分の頭も整理できる。悪いことは悪いというし、良いことは良いと自分を褒めてあげて伸ばしていくタイプ。意識しているというよりは自然にやっているかもしれないですね」落ち込まない性格は小さいころからだと母・久美さんは明かす。「落ち込んだことがないといえばウソになるけれど、一瞬落ち込んで、すぐ切り替えられる。『大丈夫かな?』と様子をうかがって声をかけると、ゴルフじゃない話をしてきたり。立ち直りが早いですね」。そうやってにっこり笑う母を見ると、娘の明るい性格は母親譲りなのかもしれないとも思う。「今、つらいという気持ちはなくて、ゴルフができているだけで幸せだし楽しい。成績が出たらもちろん楽しいけれど、出なくてもそれは与えられた試練だと、もっと良くなるためのステップだと思いながらやっていますね」米ツアーメンバー入りして出場2試合目でトップ10入りと好調な幕開けとなったが、その後は様々なボーダーラインがつきまとう日々。それでも米国で転戦できているという環境を楽しみながら、シーズン最終戦で7位に食い込み、充実感とともにルーキーイヤーを締めくくった。今季はすでに「LPGAドライブオン選手権」、欧州女子ツアーの「アラムコ・サウジ女子国際」に出場。今季初戦だったLPGAドライブオン選手権では予選落ちに終わったが、アラムコーでは最終日に「65」をたたき出して3位タイフィニッシュを飾った。「1試合目はショットがいいのにパットにつながらなくて“マジ悔しい!”っていう感じだった。そのイメージで新シーズンが始まるのか…と思っていたけれど、サウジの4日目にくすぶっていたものを出せたのは、そういう戦い方ができるという自信にもつながった」ビッグスコアが出せる爆発力は自身の強みにも感じている。「最終日に伸ばすって大事。ここぞというときのパワーはみんなが持っているものではないと思うけど、自分にはあるなと改めて感じた」。この持ち味はさらに磨いていきたい部分でもある。3月末からの米本土連戦がスタートするまえに、所属先が主催する「明治安田レディス ヨコハマタイヤゴルフ」と、地元・鹿児島県で行われる「Vポイント×ENEOSゴルフ」の国内女子ツアーに出場している。昨年の最終戦で得た気づきをきっかけにショットは好調だが、「苦手意識がある」ユーティリティや、急成長を実感している100ヤード以内で「もっと柔らかい球が打てるようにしたい」というのが目下のテーマ。試合勘もつかみながら、米2年目シーズンの本格開始に向けてよりパワーアップを目指している。今季の目標をこう話す。「もちろん優勝したいですし、メジャーも勝ちたいという気持ちがある。1年目で苦しんだ分、2年目は爆発してくれると自分に期待したいし、自分らしいプレーをしていきたい」。飛躍していく姿に注目していきたい。(文・笠井あかり)

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