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「西と東で替える、と聞いたことが…」 稲見萌寧が米国で経験している“課題”と“対策”

<LPGAドライブオン選手権 3日目◇27日◇ブレーデントンCC(フロリダ州)◇6557ヤード・パー71>米国ツアー本格参戦後、初の決勝ラウンドに臨んだ稲見萌寧は、徐々に風が強くなるタフなコンディションのなか「71」。1つ伸ばし、トータル2アンダー・30位タイでデビュー戦シリーズの最終日を迎える。

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「最後のほうは耐えるだけでした」という終盤は、ピンがグラグラと揺れるほどの強風のなかでのプレーを強いられたが、そのなかで後半11番までに作った3つの貯金を守りアンダーで終えた。ただ、本人はモヤモヤも。「きょうはこの2週間で一番ショットの調子がよかった。もっと伸ばせたなと思います」。3パットを叩いた12番、さらにバンカーからの脱出に失敗した14番の両パー4で叩いたボギーが少し悔やまれる。伸ばしあぐねる原因になったのが、グリーン上。3番で2メートルのチャンスを外すなど、なかなか思うように決まらない。「私のタッチだと、イメージ通りに打つとすごくオーバーしてしまう。気持ちよく打つと強いし、合わせるとミスヒットで芝に持っていかれる」という違和感を覚える。慣れない芝質にすぐにアジャストするのは、たやすいことではない。さらに強風のなかではその難易度は上がる。「(タッチが)どれくらいならいいのか、いまいちつかめなかったのが不安材料になってミスが出た場面もありました」というのが、噛み合わなかった部分だ。これまで日本ではなかった経験。そんな時に思い出したのが「海外の選手は西と東でパターを替える、というのを聞いたことがある」という話だった。3月末から再開する本土戦で米国に戻る時には、複数のパターを持参して練習ラウンドで芝との相性を確かめてから使用する、という案も頭にある。「これも経験しないと分からないこと。いい経験として、対策を帰ってから試したい」。この2週間であぶり出せたものを、今後に生かしていく。ただ、ショットの状態が上がっているのは安心材料になる。前日は「ショットのわずかなズレ」を訴えていたが、この日の朝、いつも送っているスイング動画を見た柳橋章徳コーチから『少しアドレスのポジションがずれている』というアドバイス部分を修正することで解消した。「そのポイントだけだったのでよかったです」と話す表情は明るい。残すはあと一日。そこで考えるのは「少しでも上に行けるように頑張りたい」ということだけ。今週は、デビュー戦だった先週と違い、予選落ちがある大会で神経をすり減らした部分も多かった。「ショットはこのまま好調を続けたい。あとはパッティングがもう少し入ってくれたら」。足取り軽く、日本に帰りたい。(文・間宮輝憲)

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