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河本結が語る“いま” めい想トレーニング?目標は?米ツアー復帰は? 赤裸々な思いに密着【大和笑莉奈の突撃ステップ・アップ便り】

<明治安田レディスオープン 事前情報◇1日◇茨木国際ゴルフ倶楽部(大阪府)◇6287ヤード・パー72>全23試合が行われる今季のステップ・アップ・ツアーは、現在、秋の10連戦真っただ中。残りも3試合となり、今週はレギュラーツアー開催実績のある茨木国際GC(大阪府)で3日間大会が開催される。自身も同ツアーに出場する大和笑莉奈が注目選手から聞き出した生の情報をお届け! 今週は2018年のステップ女王を深掘り!

しっとり和服姿の河本結【写真】

■スイングは自分で、コーチとの離別河本結が復活を目指す。2018年のプロテストに合格し、同年は4勝を挙げてステップの賞金女王に君臨。翌年にはレギュラーツアーに昇格し1勝、賞金ランキングも6位に入った。20年には米ツアーにも挑戦。現在は国内に戻っているが、この数年は調子を落としている。その河本が、いまはステップにも挑戦中だ。昨季はメルセデス・ランキングで52位に入り、今季前半戦の出場権を獲得したが、予選落ちがかさみ結果を出すことは叶わず。落ち込んだ時期もあったと言うが、シーズン途中からは半年間習ったコーチと離れ、自分でスイング作りにも取り組んでいる。「結ちゃんは、元々ナチュラルなフェードのイメージだった」と大和が河本の球筋のイメージを述べると、「元々はドローっぽいフェードを目指していた」と河本。感覚としては左に打ち出して戻してくるフェードは気持ち悪く、その変の球筋に悩んだ時期があったと明かす。そのため、一度自分で考える時間を設けることにした。「昔のゴルフノートを見返したりしています」と自分が好きな球をイメージし、「だいぶ落ち着いてきました」と、ゴルフの結果も見違えるようによくなってきた。シーズン終盤に入っての回復だが、そこに焦りはないとも言い切る。先週の「静ヒルズレディース」では最終日に「64」を叩きだし、プレーオフに持ち込んだ。惜しくも敗れたが、「優勝には運も必要。望ちゃんに流れがあったということだと思います」と、優勝した大須賀望をたたえる。負けても、気持ちの面では充実感がにじんだ。■めい想トレーニングが効果あり!いま取り組んでいるのは、スイングの改善とともに、メンタル強化だ。米ツアー挑戦時には途中から「病んだ」と苦しい胸の内を明かす。そんな苦しみを乗り越えて、今季は「めい想」トレーニングを始めているという。「とにかく落ち込んで、やる気も出ないし、練習したらしただけ下手になる感じ。そこのモチベーションを上げるために8週間やり続けて脳のなかを変えました。野球選手やサッカーの日本代表選手もやっているようです」と、頭の中をリセットすることに成功し、今では「楽しいし集中できるし、結果がどうあれ、戦える気持ちの作り方ができています」と前向きで元気な河本が戻ってきた。「5分3セットで自立神経をはかって、考え方のノウハウ、コツを教えてくれるし、それを18ホール維持できるように集中する方法を教えてもらっています」と、これが結果にも表れてきた。「わたしにも教えてほしい」と大和が笑って話すほど、一時の落ち込みから回復し、元気に話す河本の声は明るい。華やかにデビューを優勝で飾り、そして米ツアーへというスター街道を進んだが、その後の低迷には「自分を責めたりもした」と落ち込む時間が長かった。それだけに今は、前に進んでいる感じがうれしくて仕方ない。「その先生は『今』にフォーカスしてやってくれる」と、過去の自分とはすでに別れを告げている。■いまの目標は何? アメリカは?「やっぱり自分のことを分析できているし、姿勢がすばらしいですね」と河本の自力立ち直り作戦を賞賛する大和。「いまの目標は?」と聞けば、「大きな目標は自分の中に秘めてます」とまだ話す段階ではないという。それでも、「近くの目標はステップで優勝するということ。それは一個の目標としてあります」と、先週逃した5年ぶりのステップ勝利は目指している。同時に、「練習ラウンド、初日、2日目、最終日であれ、ゴルフができるのが最後だと思ってプレーしています。そうすると、『明日もゴルフができる』と思って寝られますし、朝になってパター練習をしたときに「幸せだな」って思える。そうすることで自分のプレーに全力で取り組めるんです」と幸せを感じるところから復活へと向かっている。「怖さを知っているだけに、言葉に重みがある」(大和)。そんな河本の気になる将来を聞いてみた。「アメリカに戻りたいとは思わない?」。それに対する河本の答えは明確だ。「また行きたいです。アメリカは楽しいんです。もう少し日本で目標を達成したら、また挑戦したいです」。まだまだ闘志を燃やす時間は残されている。「優勝は運がないとできないので、目の前の一打、自分の全力に思いを込めて突き進めるか」。力強い言葉とともに締めくくった河本。「情熱大陸みたい」と大和もこれらの言葉には刺激を受けた。河本結の復活。多くの人がそのときを願っているはずだ。解説:大和笑莉奈(やまと・えりな)1990年2月13日生まれ、山形県出身。中学時代にはアルペンスキーで全国大会出場経験も持つ。宮里藍らを輩出してきた名門の東北高校ゴルフ部に進み腕を磨くと、2009年のプロテストに合格。13年には「エディオンレディースカップ」でステップ・アップ・ツアー優勝。レギュラーツアーでも優勝争いを経験してきた。現在はテレビでの解説なども務め、21年にはゴルフ業界活性化、女子プロゴルファーの新たな可能性追求のため、「LPGA女子プロゴルファーズ連盟」を立ち上げた。

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