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シード獲得のためには勝つしかない 今季低迷のリディア・コは“第二の故郷”韓国で復活Vなるか

<BMW女子選手権 3日目◇21日◇ソウォンバレーCC(韓国)◇6647ヤード・パー72>苦しむ女王に絶好のチャンスが訪れている。現在のポイントランキングは101位に沈んでいるリディア・コ(ニュージーランド)が首位と1打差のトータル11アンダー・3位タイ。最終日最終組に入り、直接対決を繰り広げる。

あ、ネコだ【写真】

昨年はキャリアハイのシーズンだった。最終戦「CMEグループ・ツアー選手権」を制してシーズン3勝。3度目の年間女王に輝き、世界ランキング1位を奪還した。名誉を手にしただけではなく、プライベートでは12月に結婚して挙式。公私ともに順風満帆に過ごしていた。だが、今季は低迷し、ここまで17試合に出場して最高位は自身初戦だった「ホンダLPGAタイランド」の6位タイ。トップ10入りはその1度きりで、予選落ちは4回。下位での戦いを強いられ、世界ランキングは13位まで下がっている。ポイントランキング80位までに与えられる来季シード権については、ボーダーラインにかなりのビハインド。出場人数が絞られる、予選落ちがない秋のアジアシリーズは自力での出場権獲得は叶わず。繰り下がりでエントリーできたのは中国戦のみ(50位タイで終了)で、例えば日本開催の「TOTOジャパンクラシック」では現在リザーブ(待機選手)4番手としている。そのため、ディフェンディングチャンピオンでもあるこの韓国戦は『スポンサー推薦』での出場。是が非でもポイントが欲しい…という状況だが、スポンサー推薦出場では2位以下で終えれば、どんな順位であれポイント加算は“ゼロ”。優勝で一発逆転をするしかない。もちろん、出場カテゴリー1の『ランキングトップ80』に入れずシード権を逃しても、カテゴリー2『生涯獲得賞金トップ20』(現役中2回までなど条件はある)などの別カテゴリーで来季もフル参戦は可能。しかしかつて天才少女と名を馳せた女王にとっては、その選択肢を考えるにはまだ早いだろう。開幕前には注目選手のひとりとして会見に応じ、「LPGAの大会であれ、KLPGAの大会であれ、いつも韓国で優勝したいと思っていた。(昨年は)家族や友達がたくさん来てくれて、プレーを見てくれて本当にうれしかった。みんなでお祝いできたのは特別なことで思い出深い」と、自身が生まれた“第二の故郷”でカップを掲げられたことを感慨深そうに振り返っていた。「正直なところ、今シーズンは最高のプレーができなかった。いまは興奮している。あしたは緊張するだろうけどいいチャンス。もし連覇できたら、どんな大会でも、特にここ、韓国では大きな意味があると思う」。悩める女王は思い入れのある地で“復活V”となるだろうか。(文・笠井あかり)

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