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ホールインワンでV、21歳のルーキー・小林光希が歓喜 来季レギュラー前半戦見えるランク2位にジャンプアップ

<SkyレディースABC杯 最終目◇29日◇ABCゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6660ヤード・パー72>ステップ・アップ・ツアー唯一の4日間大会は最終目のプレーが行われ、混戦の優勝争いを制したのは、12番パー3でホールインワンを達成した21歳のルーキー・小林光希だった。1イーグル・4バーディ・3ボギーの「69」、4日間トータル7アンダーで抜け出し、追いすがる橋添穂を1打差で振り切ってうれしいステップ初優勝を挙げた。

ホールインワン達成でこの笑顔!【写真】

小林は岡山県出身で、昨年3回目のプロテストで合格を果たした21歳。同世代にはレギュラーツアーで活躍する岩井姉妹や桑木志帆などがいる。今季は「大王海運レディス」2位、「ラシンク・ニンジニア/RKBレディース」4位、「ルートインカップ上田丸子グランヴィリオレディース」7位、「カストロールレディース」2位など、初優勝にあと一歩まで迫る活躍をみせていた。この日の小林は、3番パー3で初バーディを決めるも、その後は7番パー4でボギーとするなどスコアが伸びない。前半の最終9番で2つ目のバーディ、続く後半10番でも連続で決めると、最終日のハイライトは12番パー3で訪れた。この日のセッティングはピンまで実測125ヤード。9番アイアンで放たれたボールはピン手前に着弾し3バウンドほどして見事にカップイン。自身2回目というホールインワンを決め一気に2つ縮めた。このホールインワンで少し緊張感が増したという小林だが、「今日はティが前(実測125ヤード)だったからショートアイアンで打てるのでバーディ獲ろうと思ってたら入ってびっくりしました」。入るところは見えておらず、カップに入った音で確認できたという。このエースで一時はトータル8アンダーまで伸ばしトップに立ったが、「13番のティにリーダーボードがあるんですけど、自分がトップに立っているのがわかったら緊張しちゃいました。それとホールインワンして鳥肌がたってぞわぞわしちゃったのと、14番からギャラリーさんもいてよけい緊張してきました」と話したように、ホールインワン後の14番、さらに16番でもボギーを叩き苦しい展開になる。しかし、ここで今季ステップで2位が2回という優勝争いの経験が生きた。「余裕はありました。朝もあんまり緊張してなかったのでそれは経験だったんだなって。今日優勝するには8アンダーくらいだったら優勝できるかなと思っていたので、そこを目指してプレーしようと思ってました。朝は緊張してなくて、どちらかというと、やるぞ!っていう感じでした」。自身の性格を「ポジティブ」と表現した小林は、「コースにも段々慣れてきて、4日目だったのでアジャストできました」と普段のステップにはない、4日間という試合形式も良かったと話す。さらに「今日ダボを打ったけど、明日またあるから大丈夫って思える」という性格も今大会の厳しいコースセッティングにはマッチしていた。また、これまで“右向き傾向のアドレス”で右プッシュのミスが多発していたが、ここにきて修正が叶ったこともショットを復調させた。今回の勝利(優勝賞金720万円)で賞金ランキングは2位に浮上したが、「2週連続で予選落ちしてたのですごい気にしてました。今はホッとしてますし、優勝したらファイナルQTからなのでうれしいです」と安堵の表情を浮かべる。シーズン終了時のステップ賞金ランキング1位と2位は、来年のレギュラーツアー前半戦出場権が与えられる。その準シードも見えてきたが、「この試合で優勝すると思ってなかったので、(賞金ランク)2位も狙ってたんですけど優勝しないと難しいなと思っていたので。いま2位なんですか? キープしたいです。それかウーちゃんに追いつきたいです」。1位のウー・チャイェン(台湾)はすでに2300万円あまりを稼ぎ出し、小林は約1000万円差の2位と差は開いているが、あくまでも目標は大きく持つ。初優勝の実感はないというが「来週のかねひでは、沖縄を楽しみにしてたのでそこでも上位で上がれたらいいなって。一度石垣島にいってすごく楽しかったので、始めていくので楽しみです。海も行きたいですし、サーターアンダギー食べたいです」。無邪気に答えたルーキーの小林が連勝目指し沖縄での活躍を誓った。(文・土屋裕一)

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