このエントリーをはてなブックマークに追加

新トレーニング効果で全ホールパーオンの完璧プレー! 服部真夕がトップに並ぶ

<SkyレディースABC杯 2日目◇27日◇ABCゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6660ヤード・パー72> レギュラーツアー5勝を誇り、本大会の2021年大会チャンピオンでもある服部真夕が2日目をボギーなしの4バーディで回り、「68」のラウンド。トータル5アンダーでトップタイに躍り出た。

フワッと打つこともできます 服部真夕はアプローチだけ左打ち【写真】

1アンダー・12位タイからスタートした服部は、前半2番、5番の2つのパー4でバーディを奪うと、後半も14番パー4、15番パー5でバーディを決め“全ホールパーオン”の完璧プレーで2日目を終えた。「全ホール乗ったんですよ!」とは開口一番の言葉。「今年初かな? このセッティングで全部乗るっていうのはちょっと出来すぎですね」と完璧な内容に納得の表情を浮かべる。ティショットもフェアウェイを外したのは3回のみ(ラフ1回、バンカー2回)だったが、「7番ホールで左ラフに入りましたが、短いクラブで打てたことと、“若干打てるライ”だったので良かったです」とラッキーも味方につけてきっちりパーオンさせパーで切り抜けた。あらためて全ホールパーオンについて問うと、「いや〜、ホントにこのコースで、このコースですからね! 最近の記憶にないです。久しぶりに全ホール乗ったと思います」と何度も喜びを爆発させる。しかし完璧な内容でバーディ4つという結果については「もっといけましたね…。結構バーディパットも外したので、ハイ。でもノーボギーでこの位置にいるので今日は良かったんじゃないかと思います」。今大会の歴代チャンピオンであり、このコースの難しさを良く知る服部。不用意に攻めると手痛いしっぺ返しをくらう危険性もわかっている。そんなスーパーラウンドをみせた服部だが、何年も苦しい時間を過ごしている。ここ数年はアプローチイップスに悩まされ、18年には11年間守ってきた賞金シードを手放してしまう。19年は8試合に出場したものの、すべてで予選落ちを喫した。明るい兆しが見えかけたのはその年のオフのこと。「最初に左で打ってみたら思ったよりうまく打てた」という左打ちのアプローチをきっかけに徐々に復調。21年の今大会で15年以来6年ぶりの優勝を飾っている。試合という公式の場では「20年のアース・モンダミンからやってます。ただ、最初から左打ちができないような状況だったら、左打ちの選択肢はなかったです」。左用のクラブは56度のウェッジを1本だけ入れている。「何本も入れたら他のクラブで補うのが難しくなっちゃうので(笑)」。現在では、グリーン周りの寄せで右打ちは一切しないという服部。今では右より左打ちの方がうまく寄せられるという。体調面では、痛めていた腰の状態も回復しショットの調子もいい。「先週の最終日もしっかり伸ばして終われて(6バーディで67)、いい流れで今週を迎えられたので、このスコアが出たと思います」。今年から新たな取り組みとして「理学療法的なトレーニングを入れるようになって、動かしたい動きができるようになってきました。どうしてもゴルフに不安がある時期が長かったので、スイングがどんどん小さくなっていたのをしっかり動かせるようにトレーニングして、それがいまは合っているのかなと思います」と充実した時間が復調を支える。トレーニングの効果で体の可動域が広がり、スイングにも好影響を与えているという。「肩の動きとか、歳を重ねるごとに動かなくなってくるので、そういうところを動かせるようにしています。試合の時はホテルの部屋で1時間くらいやってますけど、けっこうつらいトレーニングですね(笑)」と話す服部だが、日々の努力を継続する大切さを知りつくしている。決勝ラウンド2日間も、「このコースは何が起こるかわからない」というように、初日も一時4アンダーまで伸ばしていたが、終盤の16、17番でボギー、ダボを叩き1アンダーまで落としていた。「最後まで気が抜けないので、1日1日集中力を切らさずにやっていきます」と気合を入れ直す。イップス克服、理想のスイングをするための体づくりなど、不断の努力を続ける服部が狙う21年以来の優勝。勝負の決勝ラウンドに挑む。(文・土屋裕一)

<ゴルフ情報ALBA Net>