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メジャー大会は「2つのグループに分かれる」 過酷な戦い、藤田寛之はどっち?

<全米シニアオープン 3日目◇1日◇セントリーワールド(米ウィスコンシン州)◇7218ヤード・パー71>シニア最高峰の戦いは決勝ラウンドに入り、ますます熱を帯びてきた。ビッグネームがリーダーボードの上位で戦いを繰り広げるなかで、ペースをつかめずに崩れる一歩手前で踏ん張る者、踏ん張りがきかずに後退する者とさまざまだ。初戦は通過したものの、3日目に苦戦を強いられたのは藤田寛之。3バーディ・5ボギー・1ダブルボギーの「75」でトータル11オーバーまで落としたラウンドは、「前半はショットが散らばっていた」と苦しんだ。

最後は同伴競技者と“日本式”の挨拶をする選手も【大会フォト】

フェアウェイの右に外した1番でボギーが先行。「右に行くイメージがあったんです」と、3日目となると、蓄積してきた手強いイメージが頭をよぎる。すると今度は「引っ張って左に行く」という悪循環に陥りがち。「あっちがイヤ、こっちがイヤとやっているあいだに、自分のスイングを見失っている感じがあります」と、メジャー大会ならではの苦悩は尽きない。5番でもボギーを叩くと、初日、2日目と右に飛ばしたティショットを警戒した6番では、こんどは1打目が左前方の木に当たりダブルボギー。9番でもボギーと、前半だけで5つ落としてしまった。「ドライバーがフェアウェイに行くかラフに行くかで運命が分かれる。フェアウェイにおければチャンスも作れることは分かってきたんですけど、分かれた道の『こっち』に行ってしまう」と、指さすのは曲がってしまうほう。「フェアウェイに行けば『次はピンを狙ってください』という人と、『はい、あなたはダボにならないように、パーであがることを考えてください』と言われる人に分かれる」。この日のラウンドで言えば、前半はずっと“こっち”のグループに振り分けられた。ラフ組に組み込まれても、必死で修正を試みた。10番でようやくこの日最初のバーディを奪うと、12番でも1つスコアを取り戻す。13番はボギーも14番でまたもバーディ。「中盤は“グループ”が変わったけど、すぐに反対の“グループ”に行っちゃう。今のショットだとそうなるんです」。15番をボギーとすると、終盤はまたも元通りになってしまう。苦戦続きのメジャー大会も残すところあと18ホール。「アンダーパーは厳しいかもしれないけど」と前置きしながらも言う。「自分自身で自分を盛り上げながら。沈んで行くのはこのステージではもったいない」。最終日はフェアウェイキープのグループに入って、納得の形で帰国を迎えたい。(文・高桑均)

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