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「迫力あるし来てよかった」とギャラリー大満足 石川遼がこだわる“ローピングの近さ”で男子ツアーがさらに面白くなる?

<JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品 3日目◇24日◇西那須野カントリー倶楽部(栃木県)◇7036ヤード・パー72>選手会が主催する今大会は、選手主導で、様々なアイデアや夢を持ち寄って企画される。石川遼は「直接、観戦に来てよかったと思ってもらえるような試合にしたい」という想いから、ローピング担当に自ら手を上げた。そのこだわりを聞いた。

グリーンとの距離は確かにめちゃくちゃ近い!【大会フォト】

テーマは「安全かつワクワクした体験をしてもらう」こと。先週出場した「全米オープン」から帰国したのが大会の開幕前日だったこともあり、ドタバタのなか事前に確認したのは「半分だけ」。アウトコース9ホールのローピング位置を見て回り、残りのインコースは初日の試合中にチェックした。そしてラウンド後、気になった箇所を修正してもらった。「(池田)勇太さんに相談して、あとは運営の方と、グリーンキーパーとも話をして、ギャラリーがどこまで入っていいのかを決めました。グリーンは上がれないですし、ティグラウンドはどこまで上がれるのか。安全な場所で、近くで見て欲しい」。ティイングエリア周りも十分に迫力が感じられる位置にロープが張られているが、飛球線の後方や真横といった危険な場所は回避。一番安全かつ近くで観られる場所のギリギリをついている。実際、観戦に来たギャラリーにも話を聞いてみた。すると、「迫力もあるし、近いほうがいいですよね。普段も会場に来るだけでも、テレビで見るのとはまったく違っていて面白い。さらにこれだけ近いと音がすごいし、会話も聞こえるし、表情も見える。サングラスをかけていてもこの距離だと見えるので。来てよかったですよ」と大満足といった様子。「また見に来たいですね」とすっかり男子ツアーにハマったようだ。「PGAツアーではギャラリーの人がめちゃくちゃ近くにいて、素振りをするとのけぞるほど。それぐらい選手のティショットを近くで見ることができる。日本の試合でそこまで出来ているのは、ほぼゼロなので…。男子は特にヘッドスピードやボールの飛距離を見てもらいたい」と石川は話していたが、ギャラリーの反応を見るとまさに狙い通りの結果といえる。とはいえ近くなればなるほど、打球事故などのリスクは高まる。だからこそ、打ったボールがロープ際に飛んでいった場合は、選手とキャディが必ず『フォアー!』と声を出すことを徹底し、安全性を高めていくことも確認し合っている。実際に石川が同組の選手がボールを曲げた時、キャディよりも先にフォア―の掛け声をしている姿も見ることができた。グリーン周りのエッジ付近にローピングされているホールも多いが、それもギャラリーに刺激を与える。「面白いですね。ラインが見えるので、我々が予想したラインと違う感じで打っていて、やっぱりプロは違うなと。入る瞬間まで楽しめるので思わず声が出てしまいます(笑)」。プロの技を文字通り目の当たりにできているようだ。そしてここは石川も「今週はグリーン周りの臨場感がヤバイと思いますよ」と、胸を張る部分でもある。「世界にいったらこれくらいのギャラリーとの距離感で打たざるを得なくなってくる。特にマスターズはめちゃくちゃ近い。パー3コンテストではカップの左右5ヤードくらいのところにギャラリーがいたり。そういうコンパクトな空間を楽しんでもらいたい。選手にとってもいいことだと思います」。海外経験をもつ石川ならではの考えを日本でも広めていく。その第一歩になる大会でもある。(文・高木彩音)

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