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春先は要注意 気温が5度違うと自律神経は乱れる【ゴルフが整う自律神経のトリセツ】

自律神経の主な仕事の一つに、体温を調整する働きがあります。暑いときは汗をかいて体温を下げようとして副交感神経が、寒くなると血管を縮めて体温を上げようとして交感神経が、状況に応じてそれぞれ優位になります。

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季節の変わり目の春と秋には、一日の最高気温と最低気温の差が10度近い日もありますが、通常は寒暖差が5度もあると両者の切り替えで自律神経は乱れます。 ■寒暖差が大きいと自律神経もヘトヘト それまでの疲れがボディブローのように効いてきて、皆さんの自律神経はヘトヘトになっている、と考えられます。にもかかわらず多くのゴルファーは、このことを見逃しがちです。 春の陽気のゴルフに浮かれ、一日中半袖シャツで冷たい飲み物をガブ飲みする方もお見受けします。しかし、自律神経の働きはかなり落ちているのです。すでに食欲不振、おなかの不調、腰痛などのサインが出ているかもしれません。 体温調節もうまくできなくなっていますから、午前中汗をかいた体はその後、想像以上に冷えます。先ほどもいったように交感神経が優位になって血管が収縮して、ますます血流が悪くなってしまうのです。 ■中からも外からも体を温め、冷えを進行させない工夫を 体の外も中も冷やさないようにして、冷えの進行を防ぎましょう。 それにはまず、汗で湿ったウェアはすぐ着替えることです。朝夕は温も下がっていますので、半袖シャツでプレーをする人も早朝や午後は長袖にしたり、ベストを重ね着するなどの工夫が必要です。足の裏も案外と汗をかきますので靴下も履き替えるのが望ましいでしょう。 秋の場合は、春よりもさらに気温が下がることがあります。ハイネックやアスコットタイもオススメです。首には太い血管がありますので、首とともに温まった血液が全身を巡って体がポカポカするからです。 コロナ禍で慣れたマスクを着けてプレーするのも保温には有効でしょう。また、スポーツドリンクやビールといった冷たい飲み物より温かい紅茶やほうじ茶などを取って、体の中から温めるのも効果的です。 余談ですが、全英オープンではスタート時、ハーフターン時、ホールアウト時の格好が違う選手が例年少なくありません。一日の中に四季があるといわれるスコットランドでプレーする世界のトッププロは、体を冷やさないように細心の注意を払うことによって、同時に自律神経の乱れも最小限に抑えているのです。(文・小林弘幸 構成・野上雅子) ●小林弘幸/順天堂大学医学部教授 日本スポーツ協会公認スポーツドクター1960年生まれ、埼玉県出身。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手やアーティストのパフォーマンス向上指導にかかわる。自律神経のバランスを意識的にコントロールすることにより心身の潜在能力を最大限発揮できることを提案し、テレビ番組等で解説している。著書も多数あり、2022年12月『ゴルフが上達する自律神経72の整え方』(法研)を刊行。

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