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石川遼は10月からインターロッキングに戻すも「バンカーだけ帰ってきてない(笑)」

<ゴルフ日本シリーズJTカップ 2日目◇2日◇東京よみうりCC(東京都)◇7023ヤード・パー70>

左手の人差し指と右手の小指を絡めて握る『インターロッキング』でゴルフを覚えた石川遼は、スイング改造に伴って昨年の春先に左手の人差し指に右手の小指を乗せて握る『オーバーラッピング』にチェンジ。ところが10月の「HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP」からは再びインターロッキングに戻してプレー。3年ぶりのツアー優勝を挙げた「三井住友VISA太平洋マスターズ」のグリップもインターロッキングだった。

そもそも石川がオーバーラッピングにしたのは、左手首を手のヒラ側に曲げる“掌屈”にある。石川の悩みはトップでシャフトが飛球線よりも右を向く『クロス』。それを今回のスイング改造では、トップでシャフトが飛球線よりも左を向く『レイドオフ』に修正した。

トップで左手首が甲側に折れる“背屈”ではシャフトはクロスに入りやすい。だから、石川は左手首の掌屈を徹底的に身体に染みこませてきた。そのとき、左手を上からかぶせるストロンググリップだと、掌屈の動きはしにくい。横からウィークに握ることによって手首を手のヒラ側に折りやすくなるのだ。

「インターロッキングのままだと左手をウィークにしにくかったので、オーバーラッピングにしたらウィークにしやすくなった。今度はオーバーラッピングで握ったときに、ちょっと右手のウィークも強くなってしまったんです」と、グリップを戻した経緯を説明する。

右手の場合はグリップを下から握るのがストロング、上からかぶせるのがウィークとなるが、右手をウィークに握ると、左手首の動きが制限されて、掌屈しにくくなる。「インターロッキングでいままでよりもしっかり指を絡めるイメージで握ると、右手のウィークのいきすぎを抑えられる。右手がウィーク過ぎて手首の角度が強すぎると、右手がロックしちゃうので。だから右手はストレートにして、掌屈する余力を残したいんです」と話す。

インターロッキングに戻して6試合目だが、この話にはオチがある。「バンカーをオーバーラッピングでやっていたら、バンカーはインターロッキングに戻せなくなりました。バンカーだけ帰ってきてないです」と笑う。さらに「アプローチとかは変えますね。本当に指の絡め方とポジションひとつで弾道がすごく変わるので。逆オーバーラッピングもやるし、面白いです」と、タイガー・ウッズ(米国)のように、グリーン周りでは状況によって握り方を変えている。グリップを決めないことも、石川の強みなのかもしれない(文・下村耕平)

<ゴルフ情報ALBA.Net>