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“日本一曲がらない男”稲森佑貴がつかまるドライバーに変更し“100%”の首位T発進!

<ゴルフ日本シリーズJTカップ 初日◇1日◇東京よみうりCC(東京都)◇7023ヤード・パー70>

今年も“日本一曲がらない男”の称号はこの男に間違いない。稲森佑貴が初日、フェアウェイキープ100%のドライバーの精度を生かし、ボギーフリーの5アンダー・首位タイで発進した。

稲森の現在のフェアウェイキープ率は78.094%でダントツ1位。2位の植竹勇太は68.430%だから、稲森のドライバーの精度はツアーで頭1つも2つも抜けている。昨季は歴代最高となる77.630%を記録し、6季連続1位に輝いた。

「今年もいただきます(笑)」とほぼ手中に収めているタイトルだが、現在シニアツアーで活躍し、レギュラー時代には5度のフェアウェイキープ率1位に輝いた元祖“日本一曲がらない男”井戸木鴻樹から「80%超えを目指しなさいとレジェンドに言われた」と発破をかけられた。「1回外したら6%くらいの損失だから(笑)、きついんですよ。ちょっと間に合わないかもしれないですけど。いま78%くらい。この4日間全部100%くらいで1%上がるかどうかです。それで2%いくかな?あまりそれは考えないでいきます」と笑う。

正確なドライバーショットが稲森のコースマネジメントの支柱となっているが、前週は新しいドライバーを投入して予選落ち。「連戦続きで身体がズレてきて、だんだんつかまりが弱くなったので、『ZX7』を『ZX5』に変更しました。僕は試合で使わないとわからないタイプ。先週思い切って使って予選落ちしてしまったんですけど、ドライバー自体は良かったので、今週もそのままです」と話す。もともと稲森はドローヒッターだが「フェーダーみたいな球になっていた」ことから、つかまるヘッドにチェンジして本来のドローを取り戻し、それが好発進の要因になっている。

さらに、5番ウッドとユーティリティも組み直して、今週の初日から投入した。これについては、「まったくスペックは一緒なんですけど、ちょっと(ライ角)をフラットに入れてもらった。前は少しアップライトでヒールに当たってフェードが出ていたので、球がレベルに拾いやすくなった。コースで使ったのはきょうが初めてで、最終ホールを含めて3回くらい使った。ドローがかかってくれたので、効果があるなと感じています」。

アイアンなどではライ角をアップライトにするとフェースが左を向いて球がつかまり、フラットにするとフェースが右を向いてつかまりにくくなる。しかし、地面から打つウッド系ではフラットにすることで、ヘッドがボールに届いてつかまりやすくなる効果がある。「アップライトだとネックから入ってカット打ちになって滑る。それで無理やりつかまえるとフェードが出る。フラットにすると逆につかまります」。

飛距離よりも正確性で勝負する稲森にとって、ウッド系の精度がキモ。「今週最終戦ですけど、ここ3、4試合くらいクラブをいろいろ調整しながら、やっと整ってきた。残り3日間、頑張ろうという気持ちに、久しぶりにゴルフ熱が入ってきた」。つかまるクラブに手応えを感じながら、今季3勝目を獲りにいく。(文・下村耕平)

<ゴルフ情報ALBA.Net>