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優勝の好機を逃した6月は後半に息切れ 初V目指す佐藤大平がバックナインで伸ばせた“経験”

<ダンロップフェニックス 3日目◇19日◇フェニックスカントリークラブ(宮崎県)◇7042ヤード・パー71>

同じ轍は踏まない。プロ8年目でツアー未勝利の佐藤大平に6月の「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品」以来となる、初優勝のチャンスが訪れた。6月は1打差2位タイから出たが最終日に伸ばせず8位で終戦。今週は首位と2打差2位タイ。6月の経験を活かして頂点を狙う。

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昨秋から続いたパットの“病”から脱したのは2試合前。不安のなくなった佐藤は初日「65」の首位タイで滑り出すと、2日目も「68」をマークして首位タイを堅守。是が非でも初優勝が欲しいところだが2日間続けて「優勝は意識しない」と話した。

6月の試合のことが思い出される。初日、2日目と単独首位を守り、3日目に1打差の2位タイと好位置につけたが、最終的に8位で終わった。「初日終わってから『優勝したい』という気持ちが出てしまって、2日目からすごく気持ちを作っていったのですが、それがバックナインで疲れというか、空回りしつつあったので…。それも経験だなと」。3日目は前半3つ伸ばすも、後半9ホールはダボ、ボギーを叩いてイーブンパー。最終日も前半は3つ伸ばすが、後半は2ボギーと逆に2つ落とした。ゲームに大切な後半に、スコアとともに順位も落としていた。

優勝を意識しないで臨んだこの日は、7番パー5で3打目を50センチに寄せてバーディ先行。続く8番パー4は4メートルのバーディパットを沈めてこぶしを握る。9番パー4はティショットを左に曲げると木の根元に止まり、横のフェアウェイに出すだけのトラブルになったがきっちりボギーで抑えると、続く10番もティショットを林に入れて連続ボギー。

一時は順位を落としたが、「今日はトップのスコアは気になりませんでした。それよりも自分のショットが2ホール続けて林に入ったのでそれどころじゃなくて」。11番パー3ですぐにバウンスバックを決めると、ショットの修正が利き15番、17番でもバーディとして、今回は後半に伸ばすことに成功した。

午前中に降雨による約1時間の中断があり、上り2〜3ホールは暗闇の中のプレーとなった。上がりの18番パー5では、グリーンがスコアボードの明かりに照らされた。普段と違う状況に「グリーンのスピードの感覚が難しい」と5〜6メートルのバーディパットは「いい感じ」と思ったボールは1.5メートル手前で止まった。それでも最後は渾身の集中力でパーパットを沈め「3パットしなくてよかった」と2打差を死守し胸をなでおろした。

最終組でのラウンドなったが確実に6月の経験を活かしている。明日は2打差を追う展開。「やっぱり優勝を考えずに、どれだけ自分のゴルフに徹することができるのか、考えてやりたい」。勝負が決するサンデーバックナインで精一杯の力を発揮したい。(文・小高拓)

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