<ダンロップフェニックス 事前情報◇16日◇フェニックスカントリークラブ(宮崎県)◇7042ヤード・パー71>
95年ぶりにアマチュアで「日本オープン」を制してツアー史上初のアマチュアで2勝を遂げ、10月31日にプロ転向した蝉川泰果(東北福祉大4年)。前週のプロ2戦目の「三井住友VISA太平洋マスターズ」は、最終日に2位と3打差の単独首位で出ながら「76」と崩れて8位と悔しい思いをした。今週は日本が誇るビッグトーナメントで気合が入る。
悔しい敗戦から3日後。「(気持ちを)リセットできていると思っている部分もあれば、どこかで悔いが残っている部分がすごくある」としながら、「あのときの自分のプレーが完成系というわけではなく、まだ粗削りな部分があります。いい経験ととらえて強みに変えていきたい」と前を向いている。
フェニックスカントリークラブをラウンドするのは高校1年の時のジュニアの大会以来。久しぶりのラウンドに「難しいですね。ティショットはピンポイントに打たないといけないし、グリーン上も傾斜が大きくて、切れ方が難しい」。難しいながらも「ティショットを成功して、パットを決められる人はいいスコアが出ると思う」と攻略の糸口も見えている。
持ち味でもあるドライバーを積極的に使う作戦も頭にあるが、「先週の最終日にけっこう曲がりまくっていたので、あまりいいイメージを持てていなくて」と不安はある。「試合になれば変わるかもしれないので、やりながらいい感触を覚えて」と持ち味のいいイメージを取り戻すことが上位進出のカギとなりそうだ。
今大会は自身の名前の由来でもあるタイガー・ウッズ(米国)が2004、05年に連覇を遂げた大会もある。当時3〜4歳の蝉川はコースに足を運ぶことはできなかったが、「この試合で勝てば次の年からスターになれるみたいにいわれる大会」という印象は残っている。
大会の歴史を振り返ると、1977年大会覇者のセベ・バレステロス(スペイン)は、2年後の「全英オープン」でメジャー初優勝を遂げた。93年大会覇者のアーニー・エルス(南アフリカ)は翌年の「全米オープン」、06年大会覇者のパドレイグ・ハリントン(アイルランド)は07年の「全英オープン」、16年大会覇者のブルックス・ケプカ(米国)は17年の「全米オープン」を制覇。それぞれ今大会に優勝してから2年以内にメジャー初優勝を遂げ、スターダムにのし上がった。他にも歴代覇者には、ウッズをはじめとして多くのメジャーチャンピオンが名を連ねている。
「ここで勝った選手たちの多くがメジャーチャンピオンなので、自分の夢でもある4大メジャー制覇というのは『この試合に勝てば』という思いもある、すごく気合が入ります」。怪物ルーキーは歴代覇者の仲間入りに向けて力を込めた。(文・小高拓)
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