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名前の由来は“きかんしゃトーマス” タイガー越えの20歳トム・キムが宮崎で魅せる

<ダンロップフェニックス 事前情報◇16日◇フェニックスカントリークラブ(宮崎県)◇7042ヤード・パー71>

「ダンロップフェニックス」に海外招待選手が戻ってきた。古くはジャック・ニクラス(米国)やアーニー・エルス(南アフリカ)、タイガー・ウッズ、ブルックス・ケプカ、ジョーダン・スピース(いずれも米国)ら、毎年宮崎の地に海外の大物選手を招いてきた日本を代表するトーナメント。コロナ禍の入国規制などからここ2年は国内ツアーの選手のみのフィールドとなっていたが、2019年以来3年ぶりに4人の招待選手が出場する。

今年宮崎入りしたのは、最新の世界ランキングで15位のトム・キムことキム・ジュヒョン(韓国)、32位のコリー・コナーズ(カナダ)、同34位のアーロン・ワイズ(米国)、同46位のミト・ペレイラ(チリ)ら実力者たち。一番の注目は20歳のキムである。

本名はキム・ジュヒョンだが、幼少期から「きかんしゃトーマス」が大好きだったことから、米ツアーの登録名をトムとしている。2018年の5月に15歳でプロ転向したキムは、アジア下部ツアーでキャリアをスタートさせると、翌年には3勝を挙げ、20年にアジアンツアーに昇格。同年「パナソニックオープン・インディア」で同ツアー史上2番目の年少優勝(17歳149日)記録を樹立した。

そして、今年は世界最高峰の舞台で大ブレーク。PGAツアーの2021-22シーズン「ウィンダム選手権」で初優勝を遂げると、新シーズンとなった「シュライナーズ・チルドレンズ・オープン」で2勝目を挙げた。PGAツアーで21歳を前に複数回の優勝を遂げたのは、タイガー・ウッズ以来2人目。20歳3カ月18日での達成は、ウッズの20歳9カ月20日を上回る快挙だった。

この日のプロアマ大会でシーサイドの松林にセパレートされたコースを回ると、「まっすぐ打つのが得意で、ティからグリーンまで安定していると思っている。特にパッティングは大事にしている。自分のプレースタイルに非常に合っているコースだと思う」とコースとの相性もよさそうだが、大会前には「目標設定はしない」という。

「(目標設定は)普段からその週が進むにつれて臨機応変に決めていく」と開幕前から意気込み過ぎないのも強みなのかもしれない。

15歳でアジアからキャリアをスタートさせて、5年目でPGAツアーでの優勝。「本当に素晴らしい1年。自分の夢がかなった年でもある。今こうやってPGAツアーでプレーできているのは、自分でも誇りに思います。2022年をいい形で終えることができたらいいなと思います」と今大会で有終の美を遂げる構えだ。

「日本に招待選手が来るのは久しぶりとのことなので、PGAツアーの選手たちでいいプレーをぜひ見せたいと思いますし、日本でも最高峰の選手たちが集まる大会なので、みなさんに楽しんでいただきたいです」。賞金王やシード権を争う国内の選手たちには強敵となりそうだが、世界でもホットな選手の一人が大会を盛り上げる。(文・小高拓)

<ゴルフ情報ALBA.Net>