<ダンロップフェニックス 事前情報◇15日◇フェニックスカントリークラブ(宮崎県)◇7042ヤード・パー71>
前週の「三井住友VISA太平洋マスターズ」で星野陸也とのプレーオフを制して3年ぶり、通算18勝目を挙げた石川遼。優勝後はたくさんの祝福の連絡が届き、コース入りしたこの日は、すれ違う選手や関係者からお祝いの言葉をかけられて「うれしかったですね」と改めて優勝を実感した。
練習ラウンドのこの日は、9月にプロ転向したばかりの中島啓太と、ルーキーイヤーながら今季2勝を挙げている河本力、注目の若手二人とともにインの9ホールを回って調整を行った。
最近の石川は若手選手と練習ラウンドをすることが多い。先週も優勝争いを演じた勝俣陵と練習を行っている。「後輩から『どこかで回らせてください』というのが増えましたね」。かつてテレビで見ていた“憧れの存在”から何かを吸収しようという若手が増えた。今回も中島が「ショットのイメージの出し方」を勉強するためにお願いした。
後輩から声をかけてもらうことに「『リョウさんには声かけづらいな』って感じだったら、僕ずっと一人で回り続けているかもしれないので、うれしいですよ。練習ラウンドは遊びじゃないので、僕はすごく大事にしています。思いを持っている選手であれば僕は誰でもウェルカム」と話す。気心知れた仲間だからといって、楽しくラウンドするわけではない。ときには直接アドバイスをすることもあるが、普段の練習ラウンドの姿を見せている。
この日もあえてフェアウェイバンカーやラフから打ったり、入念にコースの状況を確認。時には木の根っこから左打ちも想定して本番に備えた。先週の優勝インタビューでは「1打1打しっかり打ち方や攻め方を意識しながらやれた」と自身が取り組むことをやり続け、それが最高の結果につながった。ただ、「優勝争いのバックナインでダブルボギーを打っているし、手放しでは喜べない」と勝って兜の緒を締める。3年ぶりに優勝を遂げても、今週もやることは変わらない。(文・小高拓)
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