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石川遼の“負け確”ランプが点きかけた14番の池ポチャ「割り切れなかった」

<三井住友VISA太平洋マスターズ 最終日◇13日◇太平洋クラブ 御殿場コース(静岡県)◇7262ヤード・パー70>

19年の「日本シリーズJTカップ」以来となる、3年ぶりのツアー18勝目を挙げた石川遼。14番ではセカンドショットを池に入れてダブルボギーを叩き、トップの星野陸也と2打差がついた。今年の「ANAオープン」ではプレーオフで大槻智春のショットインイーグルの前に惜敗しており、“またダメか”という敗色ムードがただよった。

きょうのピン位置は池を越えてすぐの左手前で、風はアゲインスト。石川はティショットを3番ウッドで打ち、フェアウェイのど真ん中をとらえた。ライは悪くない。それでも星野とトータル9アンダーで首位に並んでいて、無理にバーディを獲りにいく必要はない場面だった。

「20ヤードのアゲインストを読んで、ピンの奥5、6メートルにキャリーさせるつもりだったけど、突風が吹いた。風が呼吸している感じだった」と振り返る。残り148ヤードを普段は180ヤードキャリーする7番アイアンで打ったドローボールは、突風によって押し戻された。池を越えてから手前に転がり、水中に吸い込まれた。最終日にトップ10に入った選手のなかで堀川未来夢の4アンダーを除けば、全員6オーバーから1アンダーの間のスコアになる。石川が“風の呼吸”と表現したように、風の強さは打つ瞬間に変わることもあって選手たちを苦しめた。

石川は14番のマネジメントを猛省する。「右の奥から20メートルのロングパットをしてやるっていう割り切りはなかった。グリーンセンターに乗せたいと思った。危ない選択を取った。ショットのミス自体はたくさんあったけど、きょうのマネジメントミスは14番くらい」と話す。

しかし石川は、次の15番ホールですぐさまバーディを奪い返した。星野が2.5メートルのバーディチャンスから3パットのボギーを打ったことで、トータル8アンダーで再び並び、石川は“負け確”ランプが点きそうなところから息を吹き返した。そしてプレーオフに持ち込んで、2ホール目でバーディを奪った石川が勝利を手にした。(文・下村耕平)

<ゴルフ情報ALBA.Net>