このエントリーをはてなブックマークに追加

アマ優勝のルーキー2人が同組対決を終えて 蝉川泰果「カッコイイ」、中島啓太「アグレッシブ」

<三井住友VISA太平洋マスターズ 初日◇10日◇太平洋クラブ 御殿場コース(静岡県)◇7262ヤード・パー70>

史上5人目のアマチュア優勝者で9月12日にプロ転向した中島啓太と、史上初のアマチュアで2勝を挙げて10月31日にプロ転向した蝉川泰果が、プロになって初めて予選ラウンド同組となった今大会。ともに“@マーク”が外れた中島はイーブンパーで31位タイとまずまず、蝉川は3アンダー・5位タイの好発進を決めた。

ともに現在大学4年生。蝉川にとって中島は「目標としている存在」。常に自分の前を走り続け、なかなか勝つことができなかった。中島は21年7月に「日本アマチュアゴルフ選手権」を制してアマチュア日本一に輝くと、同年9月「パナソニックオープン」でツアー初優勝。さらに11月の「アジアパシフィックアマチュアゴルフ選手権」に優勝し、その権利で今年は「マスターズ」などの海外メジャーに出場した。21年は中島の年だったと言ってもいい。

対する蝉川は、今年になって一気に頭角を現してきた。4月の「関西オープン」で最終日最終組を経験すると、6月に下部のABEMAツアー「ジャパンクリエイトチャレンジ in 福岡雷山」で下部ツアー史上5人目のアマチュア優勝を達成。「アベマの優勝がきっかけで僕は全部の試合で勝てるイメージが湧いている」と覚醒する。

中島のプロ初戦となった9月の「パナソニックオープン」で、史上6人目のアマチュア優勝を遂げると、10月の「日本オープン」でも優勝。アマチュアが日本オープンに勝ったのは第1回大会以来95年ぶりで、アマチュアでツアー2勝は史上初の快挙だった。中島に続いて世界アマチュアランキング1位に輝き、ツアーでの勝ち星は中島を上回ったが、リスペクトする気持ちは変わらない。

初日のラウンドを終えた蝉川は、「楽しかったですね。すごく落ち着いていて、プレースタイルがカッコイイなと思いました。自分には真似できないですね」と話す。対する中島も同様に「本当に楽しかった」と振り返る。「泰果はドライバーでアグレッシブに攻めていって、自分もいつかはそのような精度を持ちたい」と、蝉川の飛んで曲がらないドライバーには一目置いている。

2人のライバル対決はまだ始まったばかり。将来はともに世界最高峰の米国男子ツアーで目指しているが、中島は来年、蝉川は2027年までの複数年シードを持っており、これから何度も優勝争いを繰り広げるだろう。

今大会は50周年記念大会で観戦無料となっており、この日は4170人ものギャラリーが訪れた。「明日からもたくさんの方が見に来られるので、良いゴルフができるように頑張りたい」と中島が言えば、蝉川は「本当に見ていただけるのはうれしいです。明日ももっともっと良いプレーができるように頑張ります」と話す。週末に2人が優勝を争う位置にいれば、もっと多くのギャラリーが会場に足を運ぶことになりそうだ。

<ゴルフ情報ALBA.Net>