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2022年のステップ・アップ・ツアー16戦目となる「山口周南レディースカップ」が山口県の周南カントリー倶楽部で10日（木）に開幕する。いよいよ同ツアーも残り2試合。気になるのは賞金ランキングの行方だ。そこで同ツアーを放送するCSチャンネルのスカイAで16年からラウンド解説を行うプロゴルファーの下村樹美に今週の見どころを聞いた！ 今回はルーキーの仁井優花にスポットライトを当てる。
■来季のファイナルQT出場権がかかる残り2戦
今週の山口周南レディースカップが終われば、ステップも来週の最終戦を残すのみ。賞金女王は今季ツアー記録の年間5勝を挙げたルーキー・櫻井心那（ここな）の戴冠がすでに決まっているが、まだまだ賞金ランキング争いは白熱している。というのも、シーズン終了時点で同10位に入れば、来季の出場権をかけたQT（予選会）の1次を飛ばし、ファイナルから出場が可能になるためだ。
現在の同ランキングを見ると、1位の櫻井は2000万円を超え、2位の宮澤美咲と3位の篠崎愛は1000万円を突破しすでに10位以内が当確。未勝利ながら4位につける西山ゆかりも970万円あまりで安全圏といえるが、その下は混戦となっている。
5位の脇元華が約750万円だが、6位以下は僅差の戦い。そのなかでも、現在はランキング外の11位・仁井優花（約615万円）までは600万円以上を獲得しており、まだまだ予断を許さない状況だ。
とはいっても、ステップ優勝者は自動的にファイナルQTから参戦することができるため、実質の枠はあと数個といったところ。「ランキング10位内に入っていて未勝利の選手は、4位の西山選手、9位の薮田梨花選手、10位の丹萌乃選手の3人だけなんです」と下村が言うように、10位までに入るには未勝利ではきついというのが現実。その狭き門に滑り込むためのラスト2戦となるわけだ。
■残り2戦の優勝賞金はいずれも360万円
残された2戦はともに優勝賞金が360万円。となれば、一発逆転でトップ10というケースも十分にあり得る。特に11位につけるルーキー・仁井については、優勝でなくとも一気にランクを上げるチャンスだ。「仁井選手は部門別の数字を見ると、パーオン率が2位。賞金女王の櫻井選手に次ぐ数字なんです。得意クラブがアイアンで、ピンに絡めることができるんです」と下村。チャンスメイクに長けている仁井の優勝も期待できそうだという。
「今季はレギュラーツアーにも4試合出場して予選落ちがない。ステップも13試合で予選落ちは一度だけ。安定感が光りますが、仁井選手自身が考える課題点はパッティングだといいます。ミドルパットがなかなか入らないと悩んでいました」と、チャンスにつけても決めきれないグリーン上のパフォーマンスを課題としているようだ。
そんな仁井のプレーを2戦前に会場で見た下村。「うどん県レディスのときは、誰よりも遅くまでミドルパットを練習していました。学年でいえば（同期の）櫻井選手のひとつ上ですが、そういう（櫻井のような）選手が刺激になっているとも言っていました。ルーキーが多く勝っている年でもありますし、ステップの選手は急に伸びることもよくあるので、期待がもてそうです」とルーキー旋風が続く可能性もありそうだ。
ちなみに、プロテスト合格同期には櫻井のほか、レギュラーツアー優勝を挙げている川崎春花、尾関彩美悠ら強豪がひしめく。「これだけ同期が優勝していると焦りもあるかもしれませんが、あまり神経質にならずにできれば、結果はついてくると思います。試合運びのメリハリを覚えれば常に上位に入ってくる選手だと思います」（下村）。
■2位争いも激化 ベテランの“ストップ・ザ・若手”に期待
櫻井が頭2つ抜け出して、早々に賞金女王を決めた裏では、2位争いもしている。同ランキング1位と2位は来季のレギュラーツアー前半戦出場権を得るため、櫻井に続けと争っているのが前出の宮澤と篠崎。そして、ここに入る可能性を秘めているのが西山だ。
「勝っていない西山選手がそろそろ若手の優勝を食い止めるか。そこにも注目したいですね」と下村は話す。「ハッキリ言って、持っているものが圧倒的に違います。ラウンド中の技術がステップの選手のものではないんです」。レギュラーツアーで2勝を挙げるなど、長らく第一線で活躍してきた西山。シードから陥落したとはいえ、まだまだその技術力が衰えることはない。
今季はプレー中の変化も奏功し、好成績を連発している。「パッティングのリズムを変えてから調子がいいようです」と、リズムが速くなったことが好調の要因のひとつ。ここに経験値、そして技術力が加わる。逆転2位というのも不可能ではない。
2位の宮澤と4位の西山の差は449万9000円。西山が逆転するには1勝が最低条件で、さらにもう1試合で単独トップ3、そして宮澤の獲得賞金にもよるという厳しいものだが、「ここに篠崎さんも加わった2位争いにも注目してください」と下村流の見どころを教えてくれた。
解説・下村樹美（しもむら・じゅみ）
1988年5月13日生まれ、愛知県出身。2011年にプロテストに合格。ケガなどもあり一線からは身を引いたが、16年からはスカイAでラウンド解説をしている。プロ目線での解説が好評。今年もステップ・アップ・ツアーから選手のプレーの模様や声を届ける。
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