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稲森佑貴が前半だけでフェアウェイを3度も外す事件! 単独首位浮上も「大変な一日でした」

<マイナビABCチャンピオンシップ 3日目◇5日◇ABCゴルフ倶楽部(兵庫県)◇7217ヤード・パー72>

事件は起こった。あの6季連続フェアウェイキープ率1位の稲森佑貴が、フェアウェイを5回も外したのだ。それでも「69」とスコアを3つ伸ばしてトータル13アンダーとし、1打差の単独トップに浮上した。

「全体的に僕のなかでは我慢のゴルフだった。ずっと気持ち悪い状態で回っていて、苦しいラウンドになってしまった」と振り返る。今季も77.713%でトップに立つフェアウェイキープ率だが、前半だけで、パー3を除く7ホールのうち3度もフェアウェイを外した。他の選手では“ありがち”なことでも稲森にとっては“大事件”なのだ。

崩れなかった理由については、「ラフではなくフェアウェイバンカーのほうに入ってくれたので、グリーンをデッドに狙うことができていた。ラフだったらあそこにボールは止まっていない。運も絡んでいた」と話す。前半最後の9番パー4では、ドライバーを振って右手を離すと、ボールは右のフェアウェイバンカーへ。このセカンドショットはピン手前8メートルにつけて、上りのフックラインを読み切り、バーディを奪っている。

「大変な一日でした」というラウンドを終えると、練習場に直行。ドライバーの修正に努めた。「きょうは右のほうにボールが吹けていたので、理屈抜きでイメージだけはと、つかまえにいく練習をしました。とりあえずイメージだけは明日につながれば良いかなと思います」。ドライバーでボールが右に飛ぶ残像だけは払拭した。

今季3勝目がかかる最終日に向けては「5アンダーでいければいいと思っている。トータル18アンダーに乗せたい。明日も2、3人くらい7アンダーが出ると思う。だから10アンダーにもチャンスがある。最低でもハーフ2アンダーを目標でいければいいかな」と読む。

現在トータル10アンダー以内は8人。しかもツアー優勝経験者ばかりで誰が抜け出してもおかしくない。稲森にとってはフェアウェイキープ率が優勝の分かれ目になりそうだ。(文・下村耕平)

<ゴルフ情報ALBA.Net>