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緊張の朝イチはトリプルボギー 平本世中、アダム・スコットと“夢のような”ラウンド「ここまでギャラリーが多いのは初めて」

<日本オープン 3日目◇22日◇三甲ゴルフ倶楽部 ジャパンコース(兵庫県)◇7178ヤード・パー70>

第2ラウンド26位タイで終えたとき、22歳のツアールーキー・平本世中(せじゅん)は緊張していた。第3ラウンドの2サムの相手がアダム・スコット(オーストラリア)だったからだ。

ツアー出場7試合目にして、米ツアー通算14勝のスーパースターとのプレーに「なんか夢のような感じでした。緊張しっぱなしで18ホールがアッという間でしたね」と平本は振り返る。

朝のティイングエリアに立ったときには、いままで見たことがない大ギャラリーが自分の組を囲んでいた。緊張のあまり、朝イチのティショットを右に曲げて、セカンドショットはバンカーのアゴにつくなど、いきなりトリプルボギー。スコットも右OBから始まったが、ショートサイドのバンカーショットを直接入れてボギーで収めた。

スコットが13年のマスターズで優勝したとき、平本少年は13歳。テレビでその快挙を見守った。「アダム・スコットって1つのブランドじゃないけど、注目する選手の1人ではありましたね。紳士でやっぱり男のあるべき姿というか、かっこいいし身長も高いし」と憧れの存在だった。実際に回ると想像以上。「すごくいい人だし、1つ1つプレーがギャラリーを魅了する」とますますファンに。

それでも「ギャラリーにはアダム・スコットの“付属品”と思われたくなかったので、いいプレーを見せたいと思いながらやっていました」と奮闘。この日「74」とスコアを落としながら4つのバーディを奪って、スコット目当ての大ギャラリーを沸かせた。

世界屈指のショットメーカーのスコットだが、平本はアプローチに感銘を受けた。「ヤバかったです。左足下がりのラフなのに上げてきちゃうみたいな。幅5ヤードくらいしかないのに、ちゃんとそこに寄せてバーディとか。すごくアプローチの印象が強かったですね。全部上手いですけど、特にアプローチという感じです」。これからアプローチのバリエーションを増やそうと考えている。

「世界の中心で活躍できるように」と名付けられた『世中』という名前の通り、平本は将来、海外ツアーでの活躍を目指している。「日本オープンで回れたことが、ほぼ奇跡みたいなものだから、僕が海外に行って、アダム・スコットと再会できたらいいですね。あのときの『セジュン』だよって言いたいです」。平本にとって海外への思いをいっそう強くした一日となった。

<ゴルフ情報ALBA.Net>