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比嘉一貴は同組A・スコットの“えげつない”飛距離に驚くも「130Y以内は負けたくない」

<日本オープン 2日目◇21日◇三甲ゴルフ倶楽部 ジャパンコース(兵庫県)◇7178ヤード・パー70>

現在、賞金ランクトップに立つ比嘉一貴。ナショナルオープンの予選ラウンド2日間はアダム・スコット(オーストラリア)と先月にプロ転向したばかりの中島啓太と回り、トータル6アンダーで首位タイに浮上した。2日間でアンダーパーが11人のみという難セッティングのなか、一番いい位置で決勝ラウンドに進む。

「フェアウェイから比較的打てているし、アイアンもそこそこいい感じ」と得意のショットで6つのバーディを奪い、ピンチの場面でも「アプローチでしのげているからボギーが少ない」とスコアを作った。

インからスタートして前半の14番パー5、15番パー4を連続バーディとして迎えた16番は、「一番のピンチ」と5メートルのパーパットを残したが、これを決めてミラクルセーブ。「連続バーディで来ていて、いい流れのままいけた。非常に大きいパーパットでした」と、続く17番、18番、折り返しての1番と3連続バーディにつなげた。

スコットと試合で回るのは初めてだが、東北福祉大3年だった16年の「日本オープン」で、松山英樹とともに練習ラウンドをともにしている。「そのとき一緒に回りましたと言ったら、覚えてくれていて。すごくうれしかったですね」と顔を緩ませる。そして、改めて見たドライバーの飛距離と技術には驚いたようだ。

「飛ばしにいくときと、置きにいくときで再現性というか正確性がすごく上手い。飛ばしにいったときの飛距離がえげつなかった。きのうは(スコットが)置きにいったホールであんまり差がないな、と思って喜んでいたら、きょうは(飛ばしにいったホールで)50ヤードくらい離れていた(笑)」

しかし、そのスコットはトータル2オーバーで、比嘉はトータル6アンダー。ゴルフは飛距離だけではないことを証明した。「バーディチャンスの数でいえば、アダム・スコット選手のほうが多かった。それが決めきれなかったところで差が出たかなと思う。パターが入っていれば5アンダー以上は平気で出るようなショットの内容。やっぱりショット力の高さ、特にロングゲーム、ロングアイアンの上手さはすごいなと思いました」とメジャーチャンピオンとのラウンドは刺激となったようだ。

身長158センチの比嘉だが、先週の「ZOZOチャンピオンシップ」で体格の大きい米ツアーの選手たちと対峙。そして今週は予選ラウンドで183センチのスコットと回ったことで、ある手応えをつかんだ。「飛距離では競り合おうとは思わない。やっぱり130ヤード以内のゲームで負けたくない。体格差が関係ない部分ではリードしたいという思いがある。ZOZOでもそうだったんですけど、ウェッジゲームでは自信を持っていけると思っています」と話す。

首位タイには東北福祉大の後輩でもある金谷拓実、そして同4年の蝉川泰果が並んだ。「僕は松山(英樹)さんを見て大学時代を過ごしました。松山さんのように後輩をリードできるような存在になれたらいいなと思います」。スコットや松山から受けた刺激を、今度は後輩に還元していく。(文・下村耕平)

<ゴルフ情報ALBA.Net>