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日本勢初の初Vから2週連続優勝を目指す大西魁斗 丸山茂樹からはお祝いと“課題”

<Shinhan Donghae Open 事前情報◇7日◇KOMAカントリークラブ(奈良県)◇7065ヤード・パー71>

先週の「フジサンケイクラシック」でツアー初優勝を遂げた大西魁斗。大会前日はプロアマに出場して最終調整を行った。9歳で渡米して腕を磨いた逆輸入プロは、本格参戦1年目にトップ10入り7回を重ねてから待望の優勝。今週は日本勢初となる初優勝から2週連続Vがかかる。

今大会は1981年に韓国ツアーで始まり、今年で38回目を迎える。2016年にアジアンツアーと手を組み、2019年には日本を加えた3ツアーの共同主管大会となった。20年、21年はコロナ禍の影響で韓国ツアーの単独開催となり、3年ぶりに3ツアー共同主管で行われる。米国男子ツアー3勝のキム・シウー(韓国)ら、普段の国内ツアーと違うメンバーが多く出場する。

日本ツアーの出場枠は40人プラス主催者推薦と出場枠は限られている。先週の優勝で急きょ出場権を手にした大西は、昨日移動してこの日初めてコースをラウンド。「先週とは芝がちょっと違うので、慣れるまで時間がかかると思います」と語った。

先週のコースのフェアウェイはベント芝で、今週はコーライ芝。コーライ芝はボールが浮いた状態になるので、米国育ちの大西にはボールが沈む感覚のベント芝の方が慣れている。「先週はアイアンショットがすごかった。芝が違うので今週の精度がちょっと違うのかなと思いますが、今週も優勝を目指して頑張りたい」と芝種の違いを警戒するが、そこは試合を戦いながら調整する。

初優勝からの2戦連続Vとなると、1973年のツアー施行後では招待選手のセベ・バレステロス(スペイン)を含めて4人しかいない。日本勢では昨年の木下稜介(日本ゴルフツアー選手権、ダンロップ・スリクソン福島オープン)のみ。2週連続となれば、2006年のジーブ・ミルカ・シン(インド)以来2人目で、日本勢では初の快挙となる。

先週を振り返ると「100ヤードとか150ヤード以内が100パーセントの調子ではなかった」と優勝しても課題はあるという。「複数回優勝はしたいですが、まだ自分の課題がたくさんある。それをちゃんとこなしていったら、優勝に一番近くなると思います。優勝を追いかけずに、課題を直しつつ毎回いいスコアで回れたいいなと思います」と自分と向き合う姿勢は崩さない。

今季は何度も優勝のチャンスがあったが、勝利を逃すたびに「自分の課題に取り組みたい」と常に高みを目指してきた。初優勝直後にはジュニア時代から親交の深い丸山茂樹からお祝いのメッセージと“課題”をもらった。「パッティングの時にバックスイングが短すぎなので、打ち急いじゃう、と。プレッシャーがあるときに自分の癖が分かっていなかったので、今後のためになりました」と目を輝かせる。勝って兜の緒を締める。緩みのない気持ちで大記録に挑む。

【日本ツアーの初優勝から連続V】

ジーブ・ミルカ・シン(2006年 カシオワールドオープン、日本シリーズJTカップ)2週連続

プラヤド・マークセン(2008年 三菱ダイヤモンドカップ、ミズノオープン) 2試合連続

木下稜介(2021年 日本ゴルフツアー選手権、ダンロップ・スリクソン福島オープン) 2試合連続

※セベ・バレステロス(1977年 日本オープン、ダンロップフェニックス)2週連続

※招待選手のため参考記録

<ゴルフ情報ALBA.Net>