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契約先会長からの助言で実践 山村彩恵の再生手伝う“あえてパーオン率0%”目指す練習法

<カストロールレディース 2日目◇28日◇富士市原ゴルフクラブ(千葉県)◇6438ヤード・パー72)>

トータル3アンダー・12位タイと、いい位置で予選を通過したホステスプロの山村彩恵は、ラウンド後、ホッとひと安心といったような表情をみせた。そして最終日には、その顔に最高の笑みを浮かべたい。

「これまでスポンサーさんの試合で予選を通ることができなくて…」。今大会が3日間になった2019年以降の3大会で、山村は決勝に進めず悔しさを噛みしめながら会場を後にしていた。しかし、4度目の挑戦でその心のひっかかりから解放されることに。開幕前には「長年悩んできたショットがよくなってきた。後は気を抜かなければ」とも話していたが、感覚は正しかった。

小石孝之会長はじめ、日頃から支えてくれる人たちへの恩義は当然ながら強い。時に厳しい言葉も織り交ぜながら、いつも見守ってくれる小石会長は、まさに父親的な存在でもある。そしてその会長からもらった練習法がコース上での自信にもつながっている。

それは、日頃のラウンドで、あえてパーオンさせずに、そこから寄せワンでパーを拾うというメニュー。提案され、拠点を出身地の福岡県に戻した今年から実践している。ピンが切られそうな位置も想定したうえで、落としてもいいところ、あるいはダメなところを判断。「最初はグリーンを狙いたくて、気持ち悪かった(笑)。でもやり始めた時は7個くらいしかなかったパーセーブも、今では14、15個とかできるようになりました。試合でも“外しても大丈夫”って安心できています」。いい訓練になっている。

2日目を終えトップとの差は6打。逆転も可能な位置につける。小石会長自らが行う、大会恒例のスタートコールでは、初日から“がっつかないように”という訓示とともにコースに送り出されている。それでもプロ初優勝も意識できる場所では、「優勝したいけど、それは時の運もある。攻められるように、しっかりと準備したいです」と、持ち前の攻めっ気も“少しだけ”顔をのぞかせそうだ。

今季のOTランクは291位と苦しい開幕になったが、今大会を含めここまでのステップ3試合はいずれも予選を通過している。また今月12日に行われた「日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯」の予選会も突破。9月8日〜11日に京都・城陽カントリー倶楽部で行われる本戦への出場も決めている。十分に感じられる、復調の兆し。それを確固たるものにして、最後にいい報告をしたい。

<ゴルフ情報ALBA.Net>