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『3ない』と『ナニワ娘のド根性』にニンマリ ホステスプロ井上りこ&森井あやめを支えた声の正体は?

<カストロールレディース 初日◇27日◇富士市原ゴルフクラブ(千葉県)◇6438ヤード・パー72>

2019年大会。そこで最終日に優勝を争った大会ホステスプロの2人が、ともに2アンダー・11位タイと上々のスタートを切った。

3年前に、この地でプロ初優勝を遂げたのが井上りこ。当時も大会を共催するBPカストロールの契約選手として、“一番の恩返し”となるプロ初勝利を手にした。もともと「イメージはいい」という好相性大会だったが、今年もそれを証明するような滑り出し。1番から2打目をベタピンにつけ“おはようバーディ”を奪う、派手な開幕となった。

4バーディ・2ボギーというプレーを支えた要因の一つに、“ある声”の存在がある。この大会では、スタートコールを契約先の小石孝之会長が行うのが恒例になっているのだが、井上にはこんな言葉がかけられていた。『3年前は怒らない、焦らない、がっつかないの“3ない”で優勝。でも今は怒る、焦る、がっつくで調子を落としてました』。この“3ない”というのは、小石会長が井上にいつも口酸っぱく言っているいわば合言葉。それを改めてラウンド直前に聞くことになったのだが、「おかげできょうは穏やかな一日でした」と効果てきめんだった。

9番、10番と連続ボギーで一時スコアを落とすも動じない。「ミスしてもめっちゃポジティブで…、なんでかな?」。その心境については本人すらも不思議に思うほどの“凪状態”だった。「いつも試合会場に会長がいてくれればいいのに(笑)」。もともと明るいその表情から笑顔も弾ける。3年ぶりの優勝に向け、第2ラウンド以降意識することも、もちろん“3ない”だ

そのスタートコールに背中を押されたのは井上だけではない。今季から“カストロール・ファミリー”になった森井あやめもその1人だ。森井は、井上が優勝した19年大会で1打差の2位に終わり、悔し涙を流した選手でもある。

ホステスプロとして初めての出場となる今年は、「意識しました」という緑を基調にしたカストロールカラーのウェアで登場した。スタートホールで緊張していたところ、耳に入ってきたのが会長の言葉だった。

『ナニワ娘のド根性を見せる』。大阪出身の森井は、このマイクを通した太く渋い声を聞いて「笑けました。そんなタイプやない(笑)」とニンマリ。一気に肩の力が抜けると、5つのバーディ(3ボギー)を奪った。さらにステップが中断していた1カ月の間に男子の塚田陽亮から受けたドライバースイング時のアドバイスもハマるなど、技術面でも自信の深まる一日になった。

チームメイトにしてライバルの2人が、再び優勝を争う姿が見られるのか? 2日目は同組で午前9時50分にスタートする。そして様子を見守る小石会長が、その時どんな“言葉”をかけるのかにも注目だ。

<ゴルフ情報ALBA.Net>