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気軽に『青木式16時間断食』が体験できるカプセルホテルに泊まってみた【ゴルフと健康】

今年は夏が長いので、今からでもダイエットをしようと思っている人は多いだろう。しかし、いざやろうとしたところでダイエットのノウハウも分からないし、きっかけがないとなかなか始められないという話もよく聞く。そういった人にうってつけのダイエットプランがあるというので、記者が体験をしてきた。

■病院やお寺に行かなくても気軽に断食が体験できる

訪れたのは、1泊2800円から泊まれるコンパクトホテルの「ファーストキャビン市ヶ谷」。いわゆるカプセルホテルだが、サイドテーブルが備え付けられたちょっと広い部屋もある。同ホテルでは、宿泊料金にプラス1000円で「青木式16時間断食」が行えるプランが用意されているというのだ。

このプランは、37万部のベストセラー『空腹こそ最大のクスリ』(アスコム)の著者で医学博士の青木厚先生の監修のもと、ホテルに宿泊中にファスティング(断食)が無理なく行えるのだ。最大のウリは『青木式16時間断食』が体験できるという点で、前述の青木先生の著書が37万部のベストセラーとなったのも、本の中に書かれている、この『16時間断食』によって体にもたらされる効果に読者が強く興味を持ったからだろう。

『16時間断食』は文字通り、1日24時間のうち16時間は何も食べない空腹時間を作る、いわゆる“プチ断食”である。一見、辛そうだが、睡眠時間を挟むことで割合と楽に完遂できるという(後に記者が検証)。

この『16時間』という時間設定は医学的に重要な背景があって、それは、『オートファジー』というものが関係している。オートファジーとは、細胞内で行われている新陳代謝で、古くなった細胞内の部品(タンパク質やミトコンドリア)をかき集め、それを分解して再度細胞の部品として再生させるというリサイクルのような仕組みだと青木先生はいう。

「オートファジーは、飢餓状態に陥った時にその働きが活発になります。具体的には、最後にものを食べてから16時間ほど経過してからになります。つまり、ものを食べて10時間くらい経つと脂肪の燃焼が始まり、それによって内臓脂肪が減少します。そして16時間経つとオートファジーが始まります。それによって細胞や体内器官が活性化し、病気になりにくく美しい肌や若々しい体になるのです」

つまりこの『16時間断食』を続けることによって、減量も美容も、健康も手に入るということなのだ。

ではさっそく、『青木式16時間断食プラン』を体験していこう。

■16時間の断食中でもナッツはOK、ハイボールも!?

午後7時過ぎから市ヶ谷の駅前で最後の夕食を摂り、午後8時にファーストキャビン市ヶ谷にチェックイン。受付後にプランの説明を受けたが、これが驚きだ。

「今回、青木先生に監修いただいた『ファーストファスティング』では、レスキューフードと呼んでいるんですけれども、お腹がすいたらナッツ、他にスムージーやアルコールを滞在中に飲んでいただきながら16時間を過ごせるというプログラムになっています」(経営企画室長・西島沙織さん)。

ホールに設置してあるサーバーからナッツが自由に食べられるし、スムージーかハイボールのどちらか一杯を選んで飲めるサービスチケットをチェックイン時にもらった。おまけに柑橘類などが入ったデトックスウォーターも飲み放題だ。なんか申し分けないというか、これで“断食”と言えるのかと疑問にさえ思うのだが、大丈夫なのだろうか…。その点に関して青木先生はこう説明している。

「素焼きのナッツ類は低糖質でビタミンやミネラル、食物繊維が豊富に含まれており健康と美容に良い。さらにナッツに多く含まれる不飽和脂肪酸が『オートファジー』を活性化させるという報告もあります。スムージーは200キロカロリー以下で作っていますし、ハイボールのウィスキーは若干カロリーはありますが糖質はゼロです。ただ、アルコールを飲んでナッツを食べた時点でファスティングが低エネルギー療法に切り替わってしまいますが、ファスティングも低エネルギー療法も健康効果は同じベクトルを向いていると医学論文に書かれているので、本当に辛い時にはナッツを食べてくださいということなんです」

さて、8時30分辺りから本格的に『16時間断食』開始。記者が宿泊した「ファーストクラスキャビン」(1泊4000円〜)という部屋は4.4平米とカプセルホテルとビジネスホテルの中間ほどの広さの部屋で、サイドテーブルとWi-Fiがあるので、パソコンを開いての仕事も余裕でできる。入室したすぐに、受付でももらったリーフレットやプラン限定配信の動画で『16時間断食』の過ごし方やダイエットの効果などの情報・知識を頭に入れておく。これは断食初心者には必須の情報だ。

10時くらいに大浴場に入った後に、1階のラウンジに下りていくと、テーブルでパソコンを開いて仕事をしている人が何人かいる。「この人たち、『16時間断食プラン』挑戦中の人かな?」と思いながら、デトックスウォーターを飲んで部屋に戻る。

午後8時に夕食を食べたので、はっきり言って午前11時になってもお腹は減らない。しかし普段はこの時間辺りから酒を飲む習慣があるので、サービスチケットを利用してハイボールを飲む。仕事を午前1時に切り上げてセミダブルのベッドへ入る。広さもマットの寝心地も申し分ないので、普段なら1時間ほど寝付けないが、30分ほどで入眠。

翌朝は7時に起床して、朝風呂に入り、ラウンジでデトックスウェーターを飲む。普段から朝食は遅めなので、未だ腹は減らない。しかし、10時にチェックアウトをしたときは、そこそこの空腹感に襲われたが、帰宅中で電車移動のためにあまり気にならない。人間、歩いたり動いたりしているときはさほど空腹感に襲われないものだと分かった。これからはダイエット中は座らずに、歩くとしよう。

昨夜の8時にスタートした『16時間断食』(厳密には低エネルギー療法)は午後12時に終了。12時30分にラーメンを食べたので、本当にダイエットになったかどうかは分からないが、一応、16時間断食完遂と言っておこう。

■コンパクトホテルで“断食”のメリットは『庵』効果

冒頭で言ったように、独りで断食をするのは不安感もあり、なかなか踏み出せなかったりする人は多い。そこで、お寺などが催している『断食道場』を取っかかりにと考えるわけだが、中には修行の一環として断食を行っているために水しか口に出来ないハードな合宿があったり、逆に観光的側面が強く1泊2日で1万数千円の料金がかかるものがあったりと、断食入門としては若干敷居が高い感じもある。

その点、今回体験したファーストキャビン市ヶ谷の『16時間断食プラン』は、内容的なハードルも低く、料金も安いので、断食入門としては最適と言っていいだろう。

そこで、記者が感じたコンパクトホテルに宿泊して『断食』をやるメリットを挙げてみる。

まず、初心者にとって最大の魅力は安心感だ。青木医師の監修に則った断食プランをリーフレットやビデオに沿って行うことが出来るというのはありがたい。

2つ目は、連帯感の効果だ。人間は孤独な状況で苦労や努力を続けると、心身が疲弊してしまう傾向が強い。深夜にラウンジで出会った人が、自分と同じ『16時間断食プラン』挑戦中なのだと思うことで(本当は普通の宿泊客だとしても)連帯感が生まれ、自分も頑張ろうと最後までやり通す気持ちにさせられる。

3つ目は、『庵(いおり)』効果だ。ファーストキャビン市ヶ谷は今流行りのコンパクトホテルである。これが重要だ。キャビンタイプの室内は、昔の日本の『庵)』のようなものである。これが『断食』をするには最適のスペースなのだ。例えば、ホテルのスイートルームに泊まって断食をしようと思わないのは、広いスペースに居ると意識もどんどん外に拡散するので、誘惑も多くなる一つのことに集中ができなくなってしまうからだ。

翻って、『庵』のような限定的なスペースに居ると外界に誘惑もなく意識はどんどん内向し、今、自分がやるべきことに集中することができる。大袈裟に言えば、たった1000円で修験者がお堂に籠って悟りを開く“ような”体験をすることができるというわけである。

若い女性のインフルエンサーたちにもホテルでの『16時間断食』プランを体験。感想を聞いてみた。

Akiさん(@aki__appo)

「最近、オートファジーという言葉をよく聞くようになって気になっていました。強制的に食べない時間を作れることや、いつもと違う空間で気持ちの切り替えができる環境で、楽しく実践できるところがいいと思いました」

Naaさん(@_naa1010_)

「綺麗なホテルでwifiやラウンジに漫画もたくさんあるので、独りでも気軽に参加できるし、都内で実際にファスティングを学べるは嬉しい。『16時間ファスティング』は過酷なダイエットのイメージが無いので、美容や健康の観点からもっと広まっていきそうです」

このようなメリットがある『16時間断食プラン』だが、青木先生によると「ホテルに1泊してのプランを経験しただけでは、見た目のダイエット効果が顕著に表れることはないと思います。できれば体験後に4〜5日くらいは続けてやって欲しいですね。そうすれば何かしらの体の変化を感じられると思います」ということだ。

秋の本格ゴルフシーズンに向けて、今からダイエットをしようと思っているゴルファーは、このファーストキャビン市ヶ谷の『16時間断食』を試してみてはいかがだろう。(取材・文/古屋雅章)

<ゴルフ情報ALBA.Net>