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日本OP2勝の稲森佑貴がバーディ合戦を制す 今季は驚異のFWキープ率80%超えで賞金王へ

<JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品 最終日◇26日◇西那須野カントリー倶楽部(栃木県)◇7036ヤード・パー72>

“日本一曲がらない男”が持ち味をいかして今季2勝目を挙げた。首位と1打差の2位から出た稲森佑貴が8バーディ・1ボギーの「65」で回り、トータル23アンダーで逆転Vを果たした。4日間のフェアウェイキープ率は91.071%で1位。回数にしてパー3を除いた56ホール中52ホールでフェアウェイをとらえた。「グリーンが止まる感じだったので、フェアウェイから打てればデッドに攻められます」と伸ばし合いを制す武器となった。

稲森といえば部門別データのフェアウェイキープ率で、2015年から6季連続1位を獲得しており、日本一曲がらない男と呼ばれる。フェアウェイキープ率の計測は2001年から始まっているが、昨季は歴代最高の77.63%を記録した。

元祖・日本一曲がらない男は2013年の「全米プロシニア」を制している井戸木鴻樹。3年連続を含む7度のフェアウェイキープタイトルを獲得しているが、その井戸木でさえ70%を超えたのは2005年の1度だけ。稲森は昨季に4度目の70%超えを果たし、2位の白佳和に約8%の差をつけている。いかに稲森が曲がらない男かが分かる。

期待されるのは、前人未到のフェアウェイキープ率80%超えだ。「80%はかなり高い数字です。今年は賞金王を目指しているので、必要な数字かもしれません。自分との戦いになると思うので、その数字になるようにもっともっとドライバーを磨いていきたい」。今季ここまでは77.521%だが、『80』という数字は稲森も意識する数字である。ちなみに、稲森がスイングで意識しているのは「インパクトの形」。どういうインパクトをするかが決まれば、スイングも安定するという。

フェアウェイをキープして精度の高いアイアンショットがあれば、コース攻略もしやすい。過去2勝を挙げている「日本オープン」のような難セッティングで強さを見せていたが、今回のように伸ばし合いの試合でも強さを発揮した。

昨季は最終戦まで賞金王の可能性があったが、賞金ランキング6位に終わった。「調子自体は悪くなかったのですが、ツメが甘かったですね。今年は賞金王を目指しています。国内で優勝を重ねていきたい」。バーディ合戦の試合でも強さを見せただけに、賞金王のタイトルも現実味も帯びてくる。今週は米国で行われる「LIVゴルフ」に出場するが、その精度がどこまで通用するかも見ものだ。(文・小高拓)

<ゴルフ情報ALBA.Net>