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「63」で優勝戦線に浮上した23歳の大西魁斗 攻め一辺倒ではない 1オン可能なホールで見せた冷静なジャッジ

<JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品 3日目◇25日◇西那須野カントリー倶楽部(栃木県)◇7036ヤード・パー72>

プロ2年目、23歳の大西魁斗がこの日のベストスコアとなる1イーグル・8バーディ・1ボギーの「63」で回り、トータル15アンダーまで伸ばして、22位から首位と2打差の4位に一気に浮上した。

果敢に攻める持ち味を発揮してリーダーボードを駆け上がった。1番、2番とともに1.5メートルのバーディパットを沈めると、3番は3メートル、4番パー5は3打目を2メートルにつけて4連続バーディとるけっとスタート。6番パー5では林越えで2オンを狙ったショットがグリーン右のレッドペナルティエリアにいくなどボギーとしたが、8番パー3で8メートルのバーディパットを沈めるなど、悪くなりかけた流れを取り戻す。後半に入っても11番でイーグルを奪うなど、後半も4つ伸ばした。

前日は「71」と伸ばしきれなかったが、「ショットは昨日もよかったんですけど…。今日は(2組目と)早いスタートでグリーンもきれいだったのでショット+パッティングがよかったです」とショットでチャンスメイクをしてしっかりパットを決める、お手本のようなビッグスコアの出し方でスコアを伸ばした。

印象的だったのは5番パー4。この日はティイングエリアを前に出してグリーンエッジまで269ヤード、ピンまで295ヤードに設定され、1オンも可能なホール。ただ、グリーンのすぐ手前には池が広がる。狭いホールでもドッグレッグホールでもドライバーを握る印象のあった大西だが、アイアンを握ってレイアップをした。

「右ピンだと右に外すと寄らないところです。練習ラウンドであのティから打っていませんでしたし、オナーだったので風向きも分からなかったので刻みました。オナーじゃなかったら打ちたかったのですが…」。グリーン手前は池、右や奥に外すと2打で納めるのが難しい状況になることもあり、未知の場面では“リスク回避”のマネジメントを見せた。結果的に4メートルのバーディパットは決められなかったが、スコアを落とす自体にはならなかった。

9歳で渡米して腕を磨く大学ゴルフ界でも活躍した逆輸入プロ。今季からフル参戦している大西だが、ここまで「アジアパシフィック ダイヤモンドカップゴルフ」で2位タイに入るなどトップ10入りはすでに5回。初優勝に最も近い男と呼ばれている。

「最終日に毎回いい位置で回るのが目標なので、優勝したいですが一つの目標は達成させられたかなと思います。頑張ってもバーディは取れるものではないと思うので、後悔が無いように自分ができることをやって、優勝すればいいし、しなくてもやるべきことをやり切れれば後悔はないです」と自分のゴルフを貫くと話した。(文・小高拓)

<ゴルフ情報ALBA.Net>