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好きな食べ物は肉と寿司 23歳の黒崎蓮が“53歳のゴルフ”を学んで開眼

<JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品 初日◇23日◇西那須野カントリー倶楽部(栃木県)◇7036ヤード・パー72>

地鶏よりもキャリアの経験を選んだ。プロ6年目の23歳、黒崎蓮。あだ名は「れんぼ〜」。QTランキング67位で当初は同週開催の下部にあたるABEMAツアー「大山どりカップ」に出場予定だったが、先週、今大会の出場権が回ってきた。自身2試合目のレギュラーツアーの舞台で7バーディ・1ボギーの「66」。6アンダーは首位と2打差の4位タイの好発進となった。

セルフプレーが許される今大会。電動手押しカートを使う選手が多いなか、「コースが平らだったので」と学生のようにキャディバッグを担いでプレーする。身長170センチ、体重93キロ。眼鏡がトレードマークで笑顔が愛くるしい23歳。2試合目とは思えぬ堂々としたプレーだった。

今季はABEMAツアーが主戦場だが、ここまで5試合に出場して60台のラウンドは一度もない。転機は「LANDIC CHALLENGE 9」だった。生涯獲得賞金10億円を超える53歳の手嶋多一が27年ぶりに下部ツアーに出場したが、黒?は2日間同組で回り“ゴルフ”のヒントを得た。

「以前はティショットをがんばって飛ばして、グリーンの近くからピンにつけてやろうと考えていましたが、曲がってスコアを崩すことがありました。今日は150ヤード付近のフェアウェイに運ぶクラブでティショットを打って、グリーンに乗せるだけを意識したらゴルフがよくなりました」。長年レギュラーツアーで活躍する手嶋のプレースタイルを見て考え方を変えた。この日のフェアウェイキープ率は85.71%で9位タイ。フェアウェイから「得意」のアイアンショットでチャンスメークをしてバーディ量産につなげた。

研修生だった祖父の勧めで6歳からクラブを握る黒崎。中学卒業後はゴルフに専念するため高校は通信制に進学し、千葉県内のゴルフ場で働きながらゴルフの腕を磨いた。2017年にプロ宣言し、19年にはプロテストに合格。今もゴルフ場に勤めながら下部のABEMAツアーを主戦場にしている。レギュラーツアーのデビュー戦となった昨年の今大会は、2日間3オーバー、118位タイで予選落ちに終わっている。

ゴルファーとしての将来の目標もある。「優勝したり、シード選手になって毎年いろんなところにいければいいなと。ゴルフは全国各地を回るので旅行感覚でゴルフをして、各地のおいしいものを食べて楽しくやりたい」。今のお気に入りの土地は福岡。ABEMAツアーは先週、先々週と2週連続で福岡開催だったが「もつ鍋とかたくさんおいしいモノを食べて、2キロ太っちゃいました」と笑みをこぼす。

今週のABEMAツアーは鳥取県で「大山どりカップ」が開催されている。「地鶏も食べたくて楽しみにしていましたが、やっぱりレギュラーツアーのほうが大きいし、経験になるのでこっちに来ることを決めました」。当初は地鶏で食欲を満たそうと考えていたが、ゴルフキャリアの経験を満たす1週間を選んだ。

初日は好位置で滑り出し、残り3日間も大きな経験を積みたい。ちなみに今週は宿舎近くの定食屋で「カツラーメン」を食べたという。勝つ。縁起がいいかもしれない。(文・小高拓)

※黒崎の“さき”は『大』ではなく『立』

<ゴルフ情報ALBA.Net>