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ルーキー・桑山紗月がステップ初V コロナ療養期間に得た思わぬ副産物

<九州みらい建設グループレディース窓乃梅カップ 最終日◇23日◇武雄ゴルフ倶楽部(佐賀県)◇6370ヤード・パー72>

またもルーキーが“ステップ・アップ”した。首位と4打差の10位タイから出た桑山紗月が最終日に「66」をたたき出し、トータル6アンダーで逆転V。前週の大林奈央に続き、昨年のプロテスト合格者がツアー初優勝を挙げた。

最終組がハーフターンをしたときにはまだ3打差。勝負は上がり2ホールだった。17番で2打目を1.5メートル、最終18番パー5では3打目をPWで2メートルにつけて連続バーディ。一気に首位に立った。

ルーキーらしからぬ落ち着きぶりだった。「普段からリーダーボードは見るようにしています。優勝争いしていなくても、1打が大事」。これがここ一番で生きた。「常に自分から見るようにしていてよかった。何事も練習することは大事ですね。最後は下りのパット。ドキドキせずに打てました」。普段からの準備が栄冠へとつながった。

先週の「フンドーキンレディス」出場前に新型コロナウイルスに感染。クラブを握れない時期を過ごしたが、「この1週間をムダにしたくない」と前向きに考えた。「マスターズ」でいいイメージを出そうと、名手たちのプレー映像を何度も見た。自暴自棄とならなかったことで、天は副産物も与えた。

「療養明けにクラブを握ったら、やっぱり全然スイングできなかった。ゴルフにならないと思っていたので、今回は予選通過できれば、と思っていたぐらいです。万全ではなかったので、安全に、安全にと考えてプレーしていた。1日だけじゃなくて、3日間トータルでの、こういうゴルフの組み立て方もあるんだなと勉強になりました」

自分に期待しすぎなくなっていた。トータルで考えるようになった。そんなマネジメントも初優勝を大きく後押ししてくれた。

自分以外のルーキーも勝ち星を挙げるなか、置いていかれるわけにはいかない。「うれしい反面、負けたくないという気持ちもあります。序盤で優勝できたので、早く2勝目を挙げたいですね」。そして、こう付け加えた。「今度はベストな状態で」。今回学んだマネジメントとベストなプレー。かけ合わさったときが楽しみでならない。

<ゴルフ情報ALBA.Net>