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プロデビュー戦からわずか1カ月 大林奈央が初優勝「3つの目標で気持ちを切り替えました」

<フンドーキンレディース 最終日◇14日◇臼杵カントリークラブ(大分県)◇6419ヤード・パー72>

昨年プロテストに合格したばかりのルーキー・大林奈央が、3日間トータル13アンダーでステップ・アップ・ツアー初優勝を遂げた。今季ステップ開幕から3戦目でのスピードV。初日から首位を守っての完全勝利だった。プロテスト合格前にステップで優勝を遂げている丹萌乃を除けば、同期のプロテスト合格者の中では優勝一番乗りの栄冠となった。

大林といえば、2017年の「世界ジュニアゴルフ選手権」15〜18歳女子の部で笹生優花を抑えて世界一に輝いた逸材だ。今大会では初日首位に並んだ山内日菜子とともに、大会コースレコードタイの「64」をマーク。そして、3日間を終わってみれば、2位に6打差をつける圧勝だった。

「きょうも3パットしない、パー3でパーセーブ、バーディ4つと、3つの目標をたててラウンドしました。でも前半で3パットするし、パー3はふたつともボギー。ピンそば1メートルにつけても、入る気がしませんでした」と、大林。

小学生のころ、父親に言われて一日ごとに小さい目標を立ててラウンドしていたという大林。それが成長するにつれて、目標を高く設定しすぎて自分を追い込んでいることに気づいた。そこで「3つの目標さえ守れば、ボギーを何個打っても構わない」という3つの目標をたてて、それを実践していた。

この父の教えが最終日も生きた。前半の3バーディ・3ボギーという出入りの激しいドタバタを、後半は見事に立て直した。

「10番パー5は残り80ヤードの第3打を1メートルにつけて、“入らなくてもいいや”と思いながらも自分のやるべきことを思い出して、開き直って打ったら入ってくれました」と話したように、「このバーディで楽になり、気持ちを切り替えることができた」という。

10番を終えた時点で2位とは2打差。「リアルに優勝が見えてきたので、緊張が止まりませんでした」と残り8ホールは必死だったというが、その後は3つバーディを重ねて後続を引き離した。

そして初の優勝インタビューでは「こんなに早く優勝できるとは思っていませんでした。今後はJLPGAツアーの主催者推薦選考会に少しでも多く出場して、上のツアーでも自分の力を試してみたいです。でも主戦場はステップ・アップ・ツアー。こちらでは(来季前半戦出場権が獲得できる)賞金ランキング2位以内を目指します」と、堅実な足もとを見つめたコメントで締めくくった。プロデビュー戦からわずか1カ月に満たない勝利にも、決して浮かれることのない22歳。大器の片りんをのぞかせる会見だった。

<ゴルフ情報ALBA.Net>