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“解説者”から“競技者”へ ツアー9勝、佐藤信人の再挑戦

<ISPS HANDA コロナに喝!!シニアトーナメント 初日◇30日◇朝霧カントリークラブ(静岡)◇6788ヤード・パー72>

「選手として取材を受けるなんて、うれしいですね。この感じ、懐かしい」と楽しそうにクラブハウスに戻ってきた佐藤信人。それもそのはず、佐藤がプレーヤーとして実戦復帰するのは、実に6年ぶりだ。

レギュラーツアー9勝を誇る佐藤が、本大会でシニアデビュー。「5、6年前に競技者としては引退した」というが、心を変えるきっかけとなった出来事は、今年2月のことだった。

コロナ禍の前、今季のシニア開幕戦として予定されていた4月の「金秀シニア 沖縄オープンゴルフトーナメント2020」へは、当初参戦する予定は無かったが、「プロゴルファーも参加していたプロアマでいいラウンドができた。こんな感じでできるなら、金秀に出ようかなと思った」と、再び選手として挑戦する決意を固めた。

その後は相次ぐ中止となり、ようやく迎えた“開幕戦”。2014年以来となるトーナメントでの朝一ティショットは、「人が見ていたので、フィニッシュだけとろうかなと。浅いライトフライみたいな当たりで情けなかったです」とほろ苦い出だしに…。「萎縮すると飛ばない、打てない。手首がずっとロックされている感じで、測定したよりも半番手から1番手距離が落ちるんです」。そんな緊張感がつきまとうシニアデビュー戦は、1993年に受けたプロテストを思い起こさせた。

その中でも、「72」のパープレーで32位タイ発進。終わってみれば「久々に競技者の感覚がばーっと戻ってきた」と興奮気味に語ったが、「解説に役立つかな」と、はやくも近年は多くなってきた解説者としての感覚も顔を出したようだ。

感染症拡大の影響でレギュラーツアーが中断となっているため、この後もシニアツアーに参戦予定。「今日よりは動くというか、なにか収穫を得たいですね」。プレーヤーとしての熱を再び取り戻しつつあるようだ。

<ゴルフ情報ALBA.Net>