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歴代チャンプの約半数が初優勝者 テレビ中継で違反発覚の“まさかの事態”も

新型コロナウイルス感染拡大の影響から、国内男女ツアーともに未だ再開の目途は立っていない。今週男子ツアーで予定されていたのは、日本タイトルのひとつ「日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」だ。

昨年で第20回を迎えた本大会は、日本では最も新しいメジャートーナメント。2000年の第1回大会は“大荒れ”となった。

現在は茨城県の宍戸ヒルズカントリークラブで行われているが、大会発足時は栃木県のホウライカントリー倶楽部で行われていた。記念すべき第1回大会、予選ラウンドを終えて初代チャンプに名乗りを上げたのは伊澤利光だった。決勝ラウンドに突入すると、第3ラウンドは強い雨と雷のためサスペンデッド。第3ラウンドの残りは最終日に持ち越しとなったが、日曜も輪をかけて激しい雷雨に見舞われて度々中断。結局午後に54ホールの短縮競技となることが決定し、第3ラウンドを単独首位で終えた伊澤がそのまま初代王者に輝いた。

そして、宍戸ヒルズカントリークラブに会場を移したのが03年。宍戸での初開催大会は再び伊澤が制したが、ホウライ、宍戸の両会場を制覇したのは伊澤と宮本勝昌(01、10年)の2人のみだ。

伊澤、宮本を含め、片山晋呉や佐藤信人らが歴代覇者に名を連ねる一方、本大会は多くの初優勝者も生んできた。11年から5年連続でツアー初優勝者が大会を制するなど、過去20大会中で9人がツアー初勝利を手にしている。09年には40歳のツアー初優勝者が誕生。前年獲得賞金0円だった五十嵐雄二がプロ18年目にして初の栄冠。5年シードを獲得した。

現在は米ツアーを主戦場とする小平智も13年大会で初優勝。前年まではQTに参戦するなど地道な努力を重ねてきたが、ここでの優勝を皮切りに毎年勝利を重ねていった。ちなみにその翌年、竹谷佳孝の初優勝の裏では、テレビ中継をめぐる“まさかの事態”も起こっていた。竹谷と同じくイ・サンヒ(韓国)が最終日にトータル17アンダーでホールアウトし、プレーオフに突入するかに思われた。ところが、アテスト時にサンヒがパーパット後にライン上のグリーン面を指で抑えたことが、テレビ中継を見ていた視聴者から問い合わせで判明。競技委員がVTRを見直したところ違反行為とみなされ、2罰打が科された。これにより、優勝は竹谷のものとなるという後味の悪い結末となった。

18年には、市原弘大が最終ホールで劇的なチップインバーディを決めて優勝。五十嵐と同じくツアー18年目での初優勝だった。19年は堀川未来夢が26歳で初勝利。昨年賞金王の今平周吾に4打差をつけての圧勝だった。

ツアーナンバーワンプレーヤー決定戦とうたわれる本大会。優勝すれば5年間のシード権に加えて、世界選手権シリーズ「WGC-セントジュード招待」への出場資格が与えられるなど大きく飛躍するためのきっかけとなる。21年に順延となった21回大会、次にチャンスを手にするのは誰か。

<ゴルフ情報ALBA.Net>