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女子プロがカップを正面に見て素振りするのはなぜ?【藤田さいき&コーチに聞く】

山下美夢有や鈴木愛など、パットの上手い女子プロが、ボールの後方でカップを正面に見ながら素振りをしている姿をよく見かける。ボールに構えるのではなく、後方に立って行うことにどんな意味があるのだろうか? ゴルフ雑誌ALBA853号では、藤田さいきや臼井麗香を指導するティーチングプロの大本研太郎にその理由を聞いている。

まずは、正対素振りを実践している藤田に意見を聞こう。「ラインと平行に立って素振りしていた時期もありましたが、今は体をカップに正対させて素振りを行うルーティンに落ち着いています。理由は、その方がタッチが合うからです。ちなみに、正対素振りをした後に平行素振りをしていたときもありましたが、ルーティンは短い方が良いと思い、今は正対素振りだけにしています」。

野球のピッチャーやサッカーのシュート、ダーツなどは基本的にターゲットに正対してプレーを行う。ゴルフは正対せずに距離感を出す、ある意味、特殊な競技とも言える。さらに、正対素振りの方が距離感が出る理由について大本に聞くと、「両目でターゲットを確認しながら体を動かすと、より正確に脳に映像をインプットしやすくなる」という。その注意点としては「距離とラインをイメージしたら、脳内の映像が消えないうちにアドレスポジションに入って、ストロークを開始。これでタッチが合うようになりますよ」と教えてくれた。

また、素振りをした後に女子プロが首を傾けながらアドレスに入る姿もよく見る。大本はこれも参考になるという。「ボール後方からアドレス位置に歩くとき、多くの選手が首を右に傾けています。これは脳のイメージを消さないため。歩行時とアドレス時の頭の傾きを変えないことで、イメージした映像が消えにくくなります」

一般ゴルファーが女子プロと同じようなショットを打つのは、一生練習しても無理かもしれない。でも、グリーン上で彼女たちに近いタッチを出すのならハードルは少し下がりそう。パターのタッチがいつも合わないという人は、女子プロの正対素振りを真似してみる価値はありそうだ。

<ゴルフ情報ALBA.Net>