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愛車マセラティ超えの高級外車を買っちゃおうかな!? 木村彩子が初優勝で5400万円ゲット

<アース・モンダミンカップ 最終日◇26日◇カメリアヒルズカントリークラブ(千葉県)◇6639ヤード・パー72>

海からの湿気を含んだ重く強い風が、カメリアヒルズCCの木々を大きく揺らしていた。9番パー3(実測距離190ヤード)のティショットでは、あまりのアゲインストに最終組の3人全員がドライバーを持ったほどだった。2日目、3日目に続いて、最終日も風との勝負だった。

多くの選手がスコアメークに苦しみ、出入りの激しいゴルフを展開するなか、じわじわと順位を上げてきた選手がいた。最終日9位タイからのスタートだった木村彩子だ。

「3日目の後半のハーフで『40』を叩いて悔しい思いがあって、きょうはハーフで2アンダーを目指して、やれることをやり切ると挑みました。風が強かったので、低い球を中心に攻めました。奥に行ってもいいから突っ込んでいく作戦で、いい流れをつくれました」

この日、木村は4バーディ・1ボギーで3つスコアを伸ばし、4日間トータル4アンダーで見事、初優勝の栄冠を勝ち取った。4日間トータルでアンダーパーの選手は、たったの6人という厳しい戦いだった。

木村にしても、決して楽な戦いだったわけではない。15番のグリーンを上がって16番ティへ向かうときだった。「果物のシャインマスカットを口に入れたんですけど、吐きそうになってしまったんです。そのとき初めてすごく緊張していることを実感しました」と、いうほどだ。

今大会の賞金総額は3億円。これは女子ツアーの年間最高賞金額で、優勝賞金は5400万円だ。大会初日に優勝することができたら「BMWの高級車種を購入したいと思っています」と漏らしていた木村だが、購入の決心はついたのだろうか?

「まだ決めてはいないんですが、BMW M8(クーペ)が欲しいと思っています。2700万円くらいするので、どうするかは考え中です。でも、お父さんも欲しいって言っていたし、南(秀樹)コーチも『優勝したらBMWいっちゃえ!』って言っていたんで、あしたあたりディーラーに行ってるかもですね」と、笑った。

木村は現在、イタリアの高級車、マセラティのSUV「レヴァンテ」に乗るほどのクルマ好き。これをプロゴルファーの“ぜいたく”だと思ってはいけない。マセラティに乗るのは木村の子どものころからの夢で、プロになって賞金を稼いで実現させたのだ。プロになる前はお客になめられてはいけないと、ベストスコア「67」と書いた名札をつけて、中古クラブショップの販売員を時給1000円でやっていたこともある。プロゴルファーとして大金を稼ぎ、高級車を買うことは木村にとって上を目指すモチベーションになっている。

そのエネルギーで手にした優勝杯。だが木村はこれで満足はしない。「初優勝できた流れを大事にして、今シーズンもう1勝したいです」。まだまだ稼いで、さらなる高級車の購入を企てるはずだ。(文・河合昌浩)

<ゴルフ情報ALBA.Net>