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隣のFWからバーディのおまけ付き W・ザラトリスが上がり連続7バーディで「61」

<ザ・アメリカンエクスプレス 2日目◇21日◇PGAウエスト スタジアムC(米カリフォルニア州)◇7147ヤード・パー72>

昨年4月の「マスターズ」で優勝した松山英樹にもっとも迫った男が、2022年の第3戦で圧巻のプレーを見せた。20-21年シーズンの新人王に輝いたウィル・ザラトリス(米国)が上がり7連続バーディを含む12バーディ・1ボギーで「61」をマーク。初日の96位タイから3位タイに順位を上げた。

3コースを3日間で回り、最終ラウンドに進む本大会で、2日目にニクラス・トーナメントCを回ったザラトリス。出だしの10番から3連続バーディ、その後2バーディ・1ボギーで前半を4アンダーにまとめると、後半は3番から圧巻の7連続バーディ。最終9番では足を滑らせティショットが隣のホールに飛び込んだが、「おまけがついてきた」とそこからバーディを奪い、自己ベストタイを記録した。

「簡単なコースで1アンダーしか出せなかったのが悔しかった」と、初日はスコアが出やすいラ・キンタCCで停滞した。そんな反省を生かしたザラトリスだが、ここまでの道のりは険しかったと振り返る。

マスターズの2位がキッカケで、「優勝」の二文字を過剰に意識。その後はオーバーワークもたたり、「全英オープン」では腰の影響で途中棄権。さらには、スコアが出なかったラウンド後にはいつも怒りを覚えていたという。

「そういう態度ではうまくいかないと思った。昨日もそういう感じだった。無理をするというか、追い込むというか」。バーディを獲らなければいけないと思うほど、失敗をすれば怒りがこみ上げる。そんな期間で学んだことは、逆に攻めの姿勢を崩さないことだった。

そんな思いは、コーチのひと言から生まれた。「64を出したいなら、『74も打つ気でいないとダメだ』と言われたんだ。結果を恐れないということだね」。これで一打一打に集中。「取り組んできたプロセスを信じて打つことだけを考えている。それが結果になればこういうスコアが出るんだ」。失敗に怒るのではなく、失敗を恐れないマインドで戦っている。

20年の「全米オープン」で幸運にも出場資格を得て6位タイに入ったことで人生が変わった。そこでツアーの臨時メンバーとなり、その後は一気に階段を駆け上がった。そして自身も初優勝を意識するあまり、やるべきことを見失っていた。そんな失敗が、今回の初日からのカムバックに役立ったというわけだ。

残り2日は、さらにこのメンタル面が試される。ビッグスコアの翌日はスコアが出ないとも言われるが、果たしてザラトリスはどんなプレーを見せるのか。最終日の優勝争いに残れるゴルフを展開するような圧巻プレーを見せ、初優勝へと向かいたい。

<ゴルフ情報ALBA.Net>