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上田桃子のひたむきさ、小祝さくらの練習量… プラチナ世代・吉田優利を強くした姉弟子たちの存在

<楽天スーパーレディース 最終日◇31日◇東急グランドオークゴルフクラブ(兵庫県) ◇6568ヤード・パー72>

ベテランの優勝が続いていた国内女子ツアーで新たなヒロインが誕生した。プラチナ世代・吉田優利がトータル18アンダーまで伸ばし、新規大会で古江彩佳、西村優菜に続く世代3人目の初優勝を手にした。

貫禄の勝利だった。1打差2位から出た吉田は2番でボギーが先に来たが「あのボギーでスイッチを入れようと思いました」と動じず、3番から3連続バーディで一気に盛り返す。さらに12番からは「ゴルフ人生で初めて」という5連続バーディを奪って一気に逆転。後続を突き放し、「最後のパットは優勝してトロフィーを持って撮影してもらっているところを想像しながら打った」と余裕も見せつつの初タイトルとなった。

上田桃子、小祝さくららと同じプロコーチの辻村明志氏に師事している吉田。その指導はもちろんのこと、「今年の桃子さんの優勝、さくらさんの優勝はそれぞれ私にとってすごく意味があった」と姉弟子たちの活躍もゴルフを強くする要素の1つだという。

13歳年上のチーム最年長の背中からは取り組みの仕方を学んだ。「優勝したのを見ていて、桃子さんはゴルフに対して真剣に、真っすぐに向き合っている。その姿を見て、私もゴルフに対して前向きに真っすぐにとらえなければいけないんだなと思いました」。ツアー15勝を挙げても手を抜かない姿を見ては、背筋を伸ばすばかり。

今季3勝のショットメーカーからはその練習量を見習った。「何勝もされていますが、練習量はすごい。体のバランスもすごく見習っています」。毎試合終わってからすぐにコーチのもとへ向かいクラブを振る。まだ体力の面で吉田自身は毎週とまではいかないが、やはり勝つ人はそれだけ打ち込んでいるということ。「同じくらいできるようにトレーニングを」とまずは類まれな練習量をこなせる準備から。

そんな2人がいては妥協も満足もできない。ましてや天狗になるなんてことはない。「2人の真っすぐにゴルフに向き合っている姿を、プロになって目の前で感じることができている」。そんな吉田を出迎えた上田はチーム辻村の強さについてこう語る。「すごく練習する選手が多いので 、ひたむきな努力がこういう結果につながっていると思います」。言葉通り切磋琢磨したからこそ勝つことができたのだ。

「これからもっと高みを目指して日々精進していきたい」。初優勝のスピーチらしからぬ言葉で締めくくった21歳。今回の勝利はきっと姉弟子たちに大きな刺激となっただろう。そうして、また一つチームが強くなりそうだ。(文・秋田義和)

<ゴルフ情報ALBA.Net>