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2年前からウッドはドライバー1本のみ “直ドラ名人”池村寛世が首位発進!

<関西オープンゴルフ選手権競技 初日◇22日◇有馬ロイヤルゴルフクラブ ロイヤルコース(兵庫県)◇7103ヤード・パー71>

166センチと小柄ながらドライバーでは「300〜310ヤードいくかな」という飛ばし屋の25歳、池村寛世(ともよ)が6バーディ・ボギーなしの「65」をマーク。石坂友宏と並ぶ首位タイで初日を終えた。

池村はプロキャディの間では、「必ず来る」と言われている若手有望株。飛距離が出るだけでなく、キャディバッグのなかにはフェアウェイウッドが入ってないこともしばしば話題になっている。「一昨年の5月くらいから試合でスプーン(3番ウッド)は入れていません」という池村。ドライバーの下は2番と3番のアイアン型ユーティリティ『ギャッパー』が入っている。

フェアウェイウッドを入れない理由について池村は、「セカンドで止めたいショットを打つときに、距離が余っていると(普通のフルショットでは大きすぎるとき)、ちょっと球を上げたいなとか、スピンを入れて止めたいなと色気が出る。そうすると逆球が出たりして、小細工するショットが得意なほうではないんです」と話している。

では、3番ウッドの距離が残ったときにはどう対処するのか? 「昔から直ドラ(ティアップしないでドライバーを打つ)はやっていて、思ったよりも球が上がるし、つかまりにくい分、左のミスを消せるんです。それだったらスプーンよりもいいかな。逆にスプーンが入ってないから、厳しかったら刻めばいいし諦めがつく」と池村は話す。

池村のティアップしたドライバーの飛距離は300〜310ヤード。「直ドラで良い球が打てると、280〜290ヤード行きますし、左を消してカットめに打ったときは260とか270ヤードくらい。スプーンがなくてもそこまで困ったことはないですね」。見事にドライバー1本で3番ウッドの距離までカバーしている。

池村の直ドラ歴は小学校時代まで遡る。「鹿児島の横峯さくらのアカデミーに入っていて、さくら姉ちゃんがもともと直ドラする人なので、周りもみんな直ドラしていた」。小さい頃から日常的にやっていたから、ティアップしないでドライバーを打つことに苦手意識はない。それどころか「きょうも17番と3番のティショットで、直ドラでフェアウェイキープできました。いまのところ、直ドラのほうが気持ち良く打てている」と笑う。ティアップできるティショットで直ドラするプロなんて、日本では池村くらいだろう。

3月末に出場した北九州オープンでは、ずっと使ってきたエースドライバー『SIMグローレ』が割れるアクシデント。「直ドラができる」という基準で選んだ池村お気に入りの1本だった。「先週はドライバーを4本くらい作ってもらって、2日目に替えたやつが良かった。『SIM2 MAX』の10度です」。もちろんこれも“直ドラ基準”を満たしている。

大満足の初日に、「貯金ができたと思って、あしたからまたコツコツパー5でバーディ獲って、パー4の短いところでバーディパットが打てればいいかなと」とまったく気負いはなさそう。最後は「別にショットが悪いわけではないので、終わってからの練習は何しよう?って感じですね(笑)。パターだけやって帰ります」と練習グリーンに向かった。(文・下村耕平)

<ゴルフ情報ALBA.Net>