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石川遼がティショットで低いドローを打つ理由 「通常のスイングにも良い影響が出る」

<関西オープンゴルフ選手権競技 初日◇22日◇有馬ロイヤルゴルフクラブ ロイヤルコース(兵庫県)◇7103ヤード・パー71>

先週の「東建ホームメイトカップ」では初日に3オーバーを叩いて、今シーズン初の予選落ちを喫した石川遼だったが、大会前の「60台では回りたい」という言葉通り、「69」をマークして2アンダー・24位タイで初日を終えた。

ショックを隠せなかった予選落ちから一週間。きょうのラウンド後の石川は明るい笑顔を見せた。それでも前半はティショットが乱れた。3番ホールでは3番ウッドでのティショットが右プッシュして右の斜面へ。ツマ先下がりのラフからのセカンドショットは、「ちょっとダフって」グリーン右手前の池に落ちてしまう。ドロップした4打目を3メートルにつけるも、これが入らずダブルボギーとしてしまった。

しかし、この日は本来のアプローチの調子を取り戻し、ズルズルといかなかった。「先週はアプローチで10回やって1回くらいしか、自分の思ったところに落とせなかった。きょうは4回やって3回くらいは思ったところに落とせた」と、6番パー5では残り25ヤードの3打目を40センチに寄せてバーディを奪った。

アプローチが良くなったことでゴルフ全体のリズムも良くなっている。「寄せワンができてくると、気持ちも前向きになりますし、グリーンを外しても『寄せワンできるかも』と今は思える。アプローチとパットは上位で戦っていく上で必要不可欠な部分」と語る。

昨年の3月から再現性を求めて「低いところに上げて低いところに抜く」スイング改造に着手。試合では「低いドローが自分のなかで1つのバロメーターになっている」と明かす。この日も4番や18番のティショットで低いドローを打っていた。いったいどういうことなのか。

「スイングプレーンがアップライトになりすぎると、手の感覚でしか低いドローが打てない。いまやっているのは、あんまり上から打ち込まないイメージ。それができると通常のスイングにも良い影響が出る。上からバーンと打ち込んで低い球を打っても、通常のスイングには悪影響になる。自分にしか分からない感覚だとは思うんですけど」

この1年は上から打ち込む動きをなくすために、「低い球は禁止されてきた」と石川。しかし、スイングが固まってきたことで、「試合のなかでも低い球を使っていこうかな」と次のステップに進んでいる。まだまだ理想のショットは打てていないのが現状だが、「年々頭でっかちになっている感じがするんですけど、やっていて楽しい」と笑う。明るい石川が首位と4打差から上位進出を狙う。(文・下村耕平)

<ゴルフ情報ALBA.Net>