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寄せの達人、谷口徹が“スベる”中西直人にレッスン 「フォローで運ぶイメージ」

<関西オープンゴルフ選手権競技 初日◇22日◇有馬ロイヤルゴルフクラブ ロイヤルコース(兵庫県)◇7103ヤード・パー71>

関西オープンの練習日。練習グリーンでツアー通算20勝の谷口徹と、中西直人が何やら話していた。どうやら谷口が中西にアプローチのレッスンをしているようだ。いったいどんなやりとりだったのか、あとで中西に話を聞いた。

「アプローチの練習をしていたら谷口さんが来て、『アプローチ下手やな』と言われたので、どこが下手なのか質問していたんです」と中西。谷口といえばアプローチとパターの技術はツアー屈指。ちょっと口は悪いが面倒見はよく、ツアー会場では若手に教えているシーンをよく見かける。

中西は「ボールが滑る」と悩んでいた。フェースの溝がボールに食いつかないため、思い通りのスピンがかからないというわけだ。ここで谷口は中西のインパクトを指摘。「僕のインパクトが打って終わりになっていると言われました。フェースに乗せたかったら、逆に加速させなくてはいけない。バックスイングが大きくてフォローが小さかったから、フォローで運んであげるイメージがいいんちゃう?って教えてもらいました」。

中西のアプローチが当てて終わりになっていたのは、雨によってぬかるんでいた前週の試合の影響がある。「久しぶりにチャックリしまくって、持ち上げるイメージが強すぎたのかと思って、ダウンブローを意識したんです。そうしたらボールが滑るようになって、ずっと何でだろうと思っていたんです。そうしたら谷口さんに出会ってしまった」。中西は大阪府出身、谷口は奈良県出身。「同じ関西ですし谷口さんには良くしてもらっています」と中西はいう。

谷口のアドバイスで中西は開眼。「フェースにガンガン乗るようになりました。自分のものにできるかどうか今週のグリーンで対話してみようと思います」とうれしそうに話す。

続けて2019年シーズンに初めてシードを獲得した中西に、ツアーでアプローチの上手いプロを聞いてみた。「谷口さんはもちろん、谷原秀人さんはロフト通りに当てるのが上手い。やっぱりゴルフってプレッシャーがかかってくると、右足にボールを置いてロフトを立てて打ちたくなる。でも谷原さんはサラッとロフト通りに打ってくる。すごいなと思いますね。コロがしに関しては片山晋呉さんですね」。

ツアー未勝利の中西は、今シーズンの賞金ランキング21位。成績で谷口の期待に応えたいところだ。「アプローチはけっこう得意なんですけど、やっぱりもっと上手くなりたい。ギャグはスベってもボールは滑るな、ですね」と最後は関西人らしいオチで締めた。(文・下村耕平)

<ゴルフ情報ALBA.Net>