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石川遼はバンスを削って春芝アプローチ対策 「スカンッと抜ける感覚は危ないと思った」

<関西オープンゴルフ選手権競技 事前情報◇21日◇有馬ロイヤルゴルフクラブ ロイヤルコース(兵庫県)◇7103ヤード・パー71>

石川遼は前週の「東建ホームメイトカップ」で、今シーズン出場7試合目にして初めて予選落ちを喫し、課題のアプローチに早速てこ入れを加えた。60度のウェッジのソールを削って、ラフからでもバンスが利くように調整したのだ。

実は石川は2月開催の米国男子ツアー「ザ・ホンダ・クラシック」に出場した際、バンスが少ないウェッジに変更していた。「アメリカではピンに近いバンカーで、いかにやわらかい球を打てるかが求められる。バンスが多いと跳ねてバンカーから飛びすぎてしまうので、ローバンスのウェッジがけっこう良かったんです」と石川はウェッジ変更の理由を説明する。

一般的にウェッジのソールの出っ張り部分であるバンスは、刃が地面に刺さらないように働いて、フェアウェイからのアプローチやバンカーショットをやさしくしてくれる。しかし、プロレベルになると、フワッと高い球を上げたり、低く出してスピンをかけたりと、いろいろなバリエーションが必要なので、バンスが多すぎるとかえって邪魔になってしまうことがある。このウェッジのバンスを少なくする変更が、日本の春先の芝ではマイナスに働いた。

「日本の春先のフェアウェイとかラフってまだ冬から夏への生え替わりの時期で、けっこうボールが浮いたり沈んだりする。春芝で浮いている状況のときに、いままではバンスの当て方で自分の思った通りの球は打てていたんですけど、ローバンスにしたことで、ボールの下をスカンッて抜ける感じになって、フェースにボールが乗らなかった。その感覚は危ない。これは早くどうにかしなきゃと思って、しっかりバンスが地面に当たる感触に調整してもらいました」

キャロウェイのツアー担当を務める島田研二氏に石川の新ウェッジについて確認すると、「バンスを増やしたのではなくて削っています」という驚きの答えが。「あるところは削って、もともとなかったところに角度をつけている。それで本人が『バンスがついた』という表現になった可能性はあります。日本の芝対応である程度削りを入れて、ボールをキャッチしてくれるような感じにしました。削りの内容ついては企業秘密です」だという。

石川は先週の試合では、ラフからのアプローチのときに、フェースにボールが乗らずにショートする場面が目立った。バンスが利くようにウェッジのソールを削ったことで、良い感触が戻ってきている。実際、きょうの練習ラウンドではコースでの40ヤードのアプローチをファーストタッチでいきなりチップイン!良いイメージを持って有馬ロイヤルGCに挑む。(文・下村耕平)

<ゴルフ情報ALBA.Net>