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男子ツアー開催は34年ぶり 関西オープンが行われる有馬ロイヤルGCってどんなコース?

<関西オープンゴルフ選手権競技 事前情報◇21日◇有馬ロイヤルゴルフクラブ ロイヤルコース(兵庫県)◇7103ヤード・パー71>

22日より国内男子ツアー「関西オープン」が開幕する。舞台となる有馬ロイヤルゴルフクラブ ロイヤルコースは「東の井上誠一、西の上田治」と称された大阪府出身の設計家、上田治の設計。上田はアゴが高くて前方への脱出が困難な『アリソンバンカー』で知られるチャールズ・ヒュー・アリソン(イングランド)の影響を受けている。そこで、30年前から同コースを拠点として、現在はアドバイザリースタッフを務めているツアー通算10勝の高橋勝成にコースの特徴を聞いた。

有馬ロイヤルGCで関西オープンが行われるのは3度目。前回、男子ツアーが開催されたのは1987年の日本オープンまで遡る。そのときは青木功が優勝。高橋も出場して22位タイに入っている。「青木さんが優勝したときはコーライグリーンで、その後2003年にベントグリーンに改修を行っています」。

関西のコースと言えば、狭くてアップダウンがきつい印象があるが、「関西的なコースではない」と高橋。「とにかくダイナミックなコースです。フェアウェイも広いし、しっかり距離が出せてショートアイアンで打てるほうが有利は有利ですよね」と話す。

高橋はハイスコアな試合展開を予想する。「そんなに複雑な風は吹かないし、グリーンは目が非常に少なくて素直。距離感さえ合えば、かなりの確率で入るでしょう。予選ラウンドの2日間で10アンダーくらいはいくと思います。伸ばし合いについていけないと、優勝争いに絡んでいけない」と考えている。

注意すべきはやはり『アリソンバンカー』だ。「グリーン周りはせり上がっているバンカーが多い。1メートル50〜80センチくらいの高さがある。受けているところにボールが落ちると、砂に刺さって目玉になることがあります」と高橋。ピン位置によっては、バンカーのリスクを回避するようなマネジメントも必要になりそうだ。

前半のキーホールに挙げるのは481ヤードの7番パー4。「軽い上りになっているから、距離的には500ヤード近く必要になる。ティショットをしっかりフェアウェイに残していかないとセカンドは乗りません。6番のパー5でバーディを獲っておいて、7番、8番はボギーを打たずに切り抜けたいですね」。

そして後半の上がりホール、16番パー4と18番パー4でドラマが起こると予想する。「16番はパー5をパー4にしているので、500ヤードくらいあります。パー5の作り方だからグリーンの左サイドが池なんです。セカンドショットをちょっと引っかけると池に入ってしまいます。最後の18番は飛ぶ人は左のバンカーに要注意(288ヤードで入る)。入れると2オンが難しくなります。日本オープンでは青木さんがセカンドショットを5番ウッドで打ってバーディを獲って1打差で優勝した。18番は守ろうとすると大ケガをします。最後に争ってくると、ドラマがあるかもしれません」。

日本最古のオープン競技といわれる関西オープンは、08年に石川遼がプロ転向後に初優勝を挙げたり、17年に今平周吾がツアー初優勝を飾ったりと、記憶に残るチャンピオンを生んできた。11年にこの世を去った関西のドン、杉原輝雄が大会最多の9度勝った大会でもある。はたして、日曜日に笑顔でカップを掲げているのは誰なのだろうか。

<ゴルフ情報ALBA.Net>