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松山英樹のアプローチはなぜ寄る? 「イマジネーションに驚かされます」【タニタクに聞く】

これまで33人の日本人が出場して、32人が跳ね返されてきたマスターズ。松山英樹はなぜ勝つことができたのか。日本に帰ってきたときには食事やゴルフに行く仲だという東北福祉大学の先輩、タニタクこと谷口拓也に松山のすごさについて語ってもらった。

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ヒデキのアプローチのイマジネーションはすごいものがある。マスターズ3日目の18番ではセカンドショットがグリーンオーバーしましたけど、アプローチは寄ると思って見ていました。あの18番は、ボギーで終わるのとパーで上がるかでは気持ち的に全然違います。17番までノーボギーで来ていましたからね。結局上手く寄せてボギーフリーの「65」でした。

ヒデキのアプローチを見てすごく驚いたことがあります。アプローチで遊んでいたときに、芝の薄いベアグラウンドみたいなところから、グリーンのマウンドの一番高いところに合わせて、傾斜を使って寄せてきたんです。僕にはマウンドを使うという発想がなかったので、すごく衝撃を受けたのを覚えています。瞬時に判断して芝の薄いところから30ヤードの距離感を合わせてきてすごいなと。

そういうアプローチのイマジネーションは、練習のときからやっていて、それは何度も見てきました。本当に「何それ!?」って感じの寄せ方をする。そこしかないというところに距離感を合わせてバックスピンで戻すとかも見たことあります。ハンパないです。アプローチの精度はPGAツアーでもすごい位置にあると思います。

ヒデキのウェッジのロフトバリエーションは52度、57.5度、62度の3本です。おそらく57.5度は100ヤード近辺を打つため。62度のウェッジって、日本ではほぼ入れている人はいませんけど、アメリカにいると使いたくなる。ロブでフワッと上げなきゃいけない状況が多くなるので、やっぱり楽です。

パッティングに関してはワイドスタンスで、あれが一番心地いいんでしょうね。ヒデキの場合、ドライバーもそうですし全体的にスタンスは広い。マスターズでパッティングが良かったのは、目澤(秀憲)コーチという今までチームにいなかった存在によって、客観的な意見と自分の感性を照らし合わせながらやってきたのが、大きいのではないかと思います。

ヒデキがこれまでに一番パターが入っていたのは、上海の「WGC-HSBCチャンピオンズ」で優勝したとき。トータル23アンダーまで伸ばして、2位に7打差をつけて勝った。あれくらいパターが入れば勝てるというのは、本人のなかにもあるみたいです。昨年会ったときは、いろいろ試行錯誤して、HSBCの状態はどうだったのか探っているような感じに見えました。

ヒデキは今回の優勝で生涯マスターズに出られる出場権を得ました。35歳くらいまで5年間はほかの3つのメジャーにも全部出られますから、何も心配しなくていい。今後いろんなメジャーに勝っていくんじゃないかと思います。

<ゴルフ情報ALBA.Net>