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13年ぶりの予選通過 50歳のアニカ・ソレンスタムが見せた意地と寛容さ

<ゲインブリッジLPGA 2日目◇26日◇レイク・ノナ・ゴルフ&カントリークラブ(米フロリダ州)◇6701ヤード・パー72>

世界の女子ゴルフをメジャーに押し上げたアニカ・ソレンスタム(スウェーデン)が13年ぶりのツアーで予選通過を果たした。

初日は3オーバーに終わったが、2日目にはスコアを1つ伸ばした。最初の10ホールはすべてパー。その後3バーディ・2ボギー。予選カットラインギリギリのトータル2オーバー・67位タイで決勝ラウンドに進んだ。

開催コースの敷地内、16番ホールの横に居を構えるアニカ。庭ともいえるコースとはいえ、久しぶりの実戦には「この2日間はエネルギーを使った」と、ややお疲れ気味。夫がキャディを務め、子どもはアニカを追って観戦。「近所の人は私がプロゴルファーだったことを知らない人もいる」というなかで、元世界女王が奮闘する姿は、ご近所さん同士の盛り上げにもつながっている。

薄氷の予選通過だが、これには「ボーナスみたいなもの」。「きょうの目標はアンダーパーを出すことで、それができた。素晴らしい2日間だった。あとはなるようになる」と、久しぶりの真剣勝負の場で、残り2日間は未知の世界だ。

スコアカードを提出したあとには家族と抱き合って喜んだが、そのスコアカード提出時には、あるトラブルが起こっていた。初日の5番、トリプルボギーを叩いた場面でのルール処置。左に打ち出されたボールはフェンスの門扉の下へ。ここで処置について競技委員を呼んで話し合った結果、罰打を加えて打てる場所にドロップだった。

ところが、実際には門扉を開いて打つことができたことが判明。競技委員がこれについて謝罪。もしそこから罰なしで打てていたら、薄氷の予選通過とはならなかったかもしれないが、「気にしないで、と言った。私ももう、あそこには打たないから」と競技委員を気遣った。

初日のスコアは確定してしまっているため、この処置が覆ることはないが、これが、シードがかかっていたり、毎週を戦う選手であれば、もっと大きな問題へと発展したかもしれない。アニカも実戦から離れており、既存ルールや改正に精通していなかったこともあって起こってしまったトラブル。それでも週末への切符を手にしたからには、嫌な記憶を吹き飛ばす快進撃を見せてほしい。

<ゴルフ情報ALBA.Net>