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“新成人”澁澤莉絵留が大人の決意 胸に秘める『駑馬十駕』の誓い

10日(日)に、群馬県太田市にある太田市民会館で開かれた成人式に、昨年ルーキーイヤーを戦った澁澤莉絵留が参加した。感染症予防対策のため式典は行わず、会場での写真撮影のみとなったが、旧友との再会の時間を楽しんだ。

母親から譲り受けたという、えんじ色の振袖に身を包んだ澁澤は、「こうして華やかな格好をして、みんなに『おめでとう』と言わると少し湧いてきますね」と生まれ育った故郷で新成人になった実感を噛みしめた。高校3年間は福岡県にある沖学園高へとゴルフ留学していたため、懐かしい顔を見るたびに、その表情からなおさら笑みもこぼれる。

そんな澁澤に“ハタチの誓い”を聞くと、『駑馬十駕(どばじゅうが)』という四文字熟語が返ってきた。これは「才能が乏しくとも、努力を続けることで、やがて才能のある者とも肩を並べることができる」という意味で、中国・戦国時代の思想家・荀子の書に出てくる言葉だ。

高校卒業後に行われた2019年の日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)のプロテストで一発合格を果たし、昨年ツアーに本格参戦。同学年の同期は、ルーキーイヤーでいきなり3勝を挙げた古江彩佳、初優勝を遂げた西村優菜や、安田祐香らタレント揃いで、澁澤もその注目世代の1人としてデビューを果たした。

プロ1年目から、そんな同世代の活躍も目の当たりにした。それだけに「そこに仲間入りというか、一緒に戦える力をつけたい」という思いは強い。そして「昔からはるか上の存在だったけど、同じ時期にプロになれたということは私にもチャンスはあるかなと思います。“差”ばかりを気にせず、自分のペースで追いついていきたいです」と、まさに駑馬十駕の気持ちを胸に、ここからも切磋琢磨を続けていく。

コロナウイルスにより大会中止が相次いだ昨年は、下部のステップ・アップ・ツアーを主戦場にしながらも、出場したレギュラーでは5試合中3試合で予選通過するなど、限られたなかしっかりと経験を積むことができた。今年は「まずはステップ・アップ優勝が一番近い目標。リランキングも意識して、出られる試合でしっかり予選通過をして賞金ランクにかかわっていきたいです」ということを念頭にコースへと出ていく。

「みなさんに、一目見て“強くなった”と思わすことができるような選手になりたい。覚悟もしっかり持っているので、そのための準備をしていきたいです」。艶やかな晴れ着姿の20歳は、新成人となった会場で力強く決意を語った。

<ゴルフ情報ALBA.Net>