このエントリーをはてなブックマークに追加

メジャーで大活躍 田辺ひかりはなぜ短く握る? アマには合うの?

<デサントレディース東海クラシック 事前情報◇17日◇新南愛知カントリークラブ 美浜コース(愛知県)◇6456ヤード・パー72>

先週の「日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯」で2位タイに入った田辺ひかりといえば、男子ツアー賞金王・今平周吾ばりにグリップを短く持つのが特徴だ。グリップをこぶし1つ分ほど余しており、「イオミックさんのロゴが隠れてしまいます(笑)」というほど。なぜ、この握り方をしているのか。

ゴルフを始めたときから短く握っていたという田辺。ドライバーに限ったものではなく、全番手一律で短く持っている。これといった明確な理由はなく、「握りやすかった」と感覚的なものだ。これまで「長く持て」と言われたことは一度や二度ではないが、「どうしても変えたくない。一番大事にしている部分です。長く持つことを試したこともありますが、そもそも気持ちが嫌がっているからか結果もついてきません」と決意は固い。

だからといって、短く持つために何か工夫しているわけではなく、グリップを交換しているメーカー担当者も「特別なことはなにもしていないです」という。先の海外メジャー「AIG女子オープン」でメジャーでのキャリアハイとなる6位に入った上田桃子は、フェアウェイバンカーを避けるため握る位置で縦距離を調整していたが、田辺は「振り幅とクラブ選択で調整しています。抑えて打つのは好きなので」と握り方は変えずに調整している。

では、短く持つと何がいいのか。安田彩乃、濱田茉優らを指導するプロコーチの井上忠久氏は「芯に当たりやすくなりますよね」と説明する。「短く持つとミート率が上がりますが、そのぶん球は上がりづらくなるというデメリットもあります。」(井上)。短く持つことによってフェースローテーションは抑え気味となり、弾道は低くなりがちとあくまで一長一短だが、田辺にはこれが合っているのだろう。

短く持つことで、シャフトがしなりにくくなるという弊害も起きる可能性がある。だが、田辺はしっかりとしならせて飛ばしている。「田辺さんは上背もあるし、腕も長いためシャフトをうまくしならせることができていると思います。またシャフトとのマッチングもある。その組み合わせがうまくできているのではないでしょうか」(井上)

確かに田辺が使用するドライバーのシャフトはそこまでしなりやすいものではないとはいえ、フレックスは「R1」と柔らかめ。ミート率を上げようと短く持つことを考えているアマチュアゴルファーは、ギアも含めて考えたい。(文・秋田義和)

<ゴルフ情報ALBA.Net>