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若きショットメーカー・稲見萌寧 ボールを替えてどうなる?【2020年女子ツアー気になるギア】

開幕の見通しがなかなか立たない国内女子ツアー。“女子プロ”ロスが続く状況ではありますが、逆に言えば今こそ開幕前に矢継ぎ早になだれ込んだギア情報を洗い直ときだ!ということで、気になるギア情報や今季の動向をプロコーチ&クラブフィッターの筒康博氏に予想してもらった。

祝・成人!稲見萌寧の着物姿【写真】

今回は今季からブリヂストンゴルフとボール契約を結んだ稲見萌寧。昨季パーオン率1位を記録した若きショットメーカーはボールを替えてどうなるのか?

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一般ゴルファーの皆さんとプロゴルファーのギア選びで一番差が大きいのは、もしかしたらボール選びかもしれません。稲見選手がボールをスイッチできたのは、単に契約だから…、などではなく間違いなく「試合で使える確信」をテストで確認したからといっていいと思います。

勝手な推測で申し訳ないですが、そのくらい各社のボールは設計や構造が異なりますし、選手の好みによって『好きor嫌い』やボールフライトに対する及第点のラインは厳しいと考えてほしいです。PGAツアーの選手ですら何人もがボールを替えて成績が良くなったり、その逆、というケースもあるくらいですから。

例えば、皆さんがクラブを買い替えたとしても、その性能を発揮するためには相性のいいボールとそこまでにはならないボールがあると思います。事実、価格やモデルの差以上にコンプレッションや各層の厚みや硬さが全然違います。結果としてアイアンショットでいうと打感や打球音まで変わり弾道を計測しても打ち出し角やスピン量まで大きく変わります。

それを踏まえての稲見選手ですが、契約会見で「全メーカーのボールを試した結果、このボールを選んだ」と言いました。その意味は感覚的に良かったことはもちろん、特に今は弾道計測器の性能が非常に高いですから、細かいデータも見たうえでゴーサインを出したということでしょう。飛距離は当然のこと、適正な打ちだし角、スピン量があったということです。

ブリヂストンゴルフのボールの性能は、あれだけボールにうるさいタイガー・ウッズが使っているというだけで十分でしょう。そこに稲見さんの感覚が問題なくフィットすれば昨年以上のパーオン率を生む可能性は高いといえます。

また、稲見さんはクラブ契約がフリーで様々なメーカーのクラブを試すことができる。まずボールという軸ができたことでクラブ選びもしやすくなるのではないでしょうか。そう考えるとボールを替えることにより、どのクラブを使ってくるかも非常に楽しみですね。

解説・筒康博(つつ・やすひろ)/プロコーチ・フィッター・クラフトマンとして8万人以上のアドバイス経験を生かし、現在は最先端ギア研究所『PCMラボ』総合コーチ、インドアゴルフレンジKzヘッドティーチャーを務める。ALBA本誌ギア総研をはじめ様々なメディアでも活躍している。

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