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【小川淳子の女子ツアーリポート“光と影”】開幕を待ち望むファン目線で見た女子ツアー

今年も昨年同様、女子ツアーを楽しむことができるのか。新春2回目の今日は、2019年の開幕を楽しみにしているファン目線に立って考えてみた。

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テレビで海外のゴルフを楽しんだり、雑誌を見たり、寒さに凍えながら自分のプレーに集中したり…。今年の場合は、新しいルール相手に四苦八苦したり。日本ツアー開幕を心待ちにするファンのオフシーズンは様々だ。今年は特に、女子ツアーの試合数が減るのか減らないのかなど、気になる情報も多い。

トーナメント会場に足を運ぶ習慣のある女子ツアーファンが、一番気になるのは「自分の家から行ける場所で行われる試合が行われるのか否か」だろう。中には、遠くまで足を延ばして年間何試合も観戦する、ありがたい“追っかけ”ファンもいるが、その割合は当然ながらさほど多くない。

今後の展開次第ではあるが、昨年末に発表された年間スケジュールによれば、熊本県開催だった「KKT杯バンテリンレディス」、愛知県開催だった「中京テレビ・ブリヂストンレディス」、宮城県開催だった「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」の3試合が「開催中止」とされている。愛知県では秋に「デサントレディース東海クラシック」が行われたり、場所によっては近隣の県に観戦に行けないこともない。しかし、他の2つの大会がなくなるとしたら、その痛手は大きい。

熊本、宮城は、いずれも大震災の被災地で、スポーツで地元を元気にするという役割を担ってきてもいる。特に、熊本の場合は、今は亡き元日本女子プロゴルフ協会(LPGA)会長、清元登子を始め、平瀬真由美、不動裕理、古閑美保、上田桃子、有村智恵、笠りつ子、一ノ瀬優希、青山加織ら多くの女子プロを輩出している。早い時期からジュニア育成に力を入れてきたという背景あってのたまものだ。当然、地元のゴルフ熱も高い。

一方の宮城は、昨年が第46回大会という歴史を刻んでいる。さらに、女子ツアーでは東北唯一の大会という側面も持っている。かつては、秋田県や岩手県、福島県などでスポンサートーナメントが行われていたこともあるが、いずれもなくなってしまった。東日本大震災の復興支援という面を担う大きな意味もあったということだ。

「素晴らしいプレーを見せる」だけでなく「地元のお祭り」的な意味合いを持つスポーツイベントだけに、地元ファンはそういう意味でも残念でならないだろう。

一方、トーナメント会場に足こそ運ばないものの、テレビやネット、新聞、雑誌などでツアーを楽しむファンにとってはどうだろう。こちらは、試合そのものが減っても「今週は試合がないのか」という程度なのかもしれない。だが、これがもっと多くの試合が少なくなると、男子のように「ツアー」というよりも単発の試合、という感覚になってしまう恐れはある。

今回、試合が減るかどうか、という話の根本原因となった放映権そのものは、実はファンにとってはどうでもいい話。「ネット中継がライブであれば、ディレイ(録画)のテレビ中継などなくてもいい。それでいいのでは?」という声もたくさんある。その一方で、テレビで見られるかどうか、ということを重要視するファンも少なくないのもまた事実だ。

ゴルファー同様、平均年齢の高いゴルフ番組視聴者層は、比較的テレビ依存度が高い。毎週末になると、テレビのゴルフ中継を食い入るように見る。ひと昔、いやふた昔前までは、テレビ局も、スポンサーも、ツアーもこの層のことだけを考えていたといっても過言ではない。徐々にパーセンテージは下がっているものの、この層が占める割合はまだまだ少なくない。

日本のLPGAが放映権を主張したこのタイミングは、トーナメントの仕組みすべてを見直す絶好の機会でもある。もっともっと会場に足を運ぶファン(有料入場者)を増やし、興行として成立させ、これまでスポンサー頼りだった賞金や大会開催費を自分たちで捻出する。放映権料が手に入る仕組みをしっかりと確立させること。ツアーすべてを自分たちの主催とするのも当然の流れ。それをハンドリングする組織づくりが至上命題となる。

ファンを失望させず、全国にファンを増やすこと。止められない時の流れの中で、ファンを置き去りにしない方策を立て、それを内外に示していく。選手が賞金で食べていけるのは誰のおかげか。スポンサー以前にファンであることを徹底的に教え込むのも必要なことだろう。ファンを大切に。常にファン目線に立って物事を考える。その視点を忘れてはならない。(文・小川淳子)

<ゴルフ情報ALBA.Net>