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ささきしょうこの初優勝からの2年間 コーチが語ったその“潜在能力”

<富士通レディース 事前情報◇11日◇東急セブンハンドレッドクラブ 西コース(6,675ヤード・パー72)>

先週の「スタンレーレディス」で通算2勝目を挙げたささきしょうこ。ツアー本格参戦1年目の2016年「大東建託・いい部屋ネットレディス」での初優勝から2年の月日が流れた。再びの戴冠を果たすまでの取り組みについて、本人、そして今年から本格的にささきのコーチを務めている武井ジョージ氏に聞いた。

涙の2勝目、優勝カップを掲げるささきしょうこ

涙の2勝目から4日。この日のささきは、笑顔で優勝時のことを振り返った。「表彰式が終わってから携帯電話を見たら、LINEが85件くらい入っていて、着信も9件ありました」と試合直後の反響を振り返る。さらに、今週火曜日には穴井詩と、いつも応援してくれているファンが祝勝会を開いてくれたことも明かした。「疲れは100%取れているわけではありません」と話すが、その表情からは“心地のいい疲れ”といった感じも受け取れる。

現在22歳のささきが初優勝を挙げたのは20歳の時。まだ若い選手だけに、この2年を長いととらえるか、短いととらえるかは難しいところではあるが、少なくとも、苦難や変化を味わう2年間ではあった。

体調面では『自律神経失調症』と『パニック症候群』と精神面からくる病に苦しめられ、薬を服用しながらのプレーが続いた。この状態でプレーする難しさを、武井コーチはこう語る。「普通の人なら、耐えられない、眠ってしまうような薬を飲みながらプレーしていました。三半規管、バランス感覚がおかしくなって当たり前です」。

しかし9月の「マンシングウェアレディース」から、試合中に薬の服用を止めた。すると今季2度目のトップ10入りとなる10位という結果があらわれた。その変化について武井コーチは、「下半身がしっかりと耐えられるようになりました。それは右足内側のスパイクピンが2、3試合でとれてしまうほど。それだけ、踏み込みがしっかりしてきました」と、ささきがもつ潜在能力について言及した。

またこの2年の間にはスイングにも変化が生じていた。ささきは「高校時代は、とにかく飛ばすことを考えたスイングをしていました。でもプロになって徐々に方向性を求めるがゆえに、縮こまったスイングになってしまって」と、安全性を求めたことが、結果としていい方向に転がっていかなかったことを明かす。

そこでコーチと2人3脚、“らしさ”を取り戻すため汗を流してきた。「前半戦の間に体幹を意識し、腕の長さを変えないで、彼女がもともと持っている武器を生かしながらスイングするよう徹底しました。後半戦に入る頃には、上半身がかたまってきたので、今はお腹から下半身の動きを重点的に意識した練習を行っています」(武井氏)。

そうすることで、スイングアークが大きく、体を回しきるスイングに、クラブコントロールがともない安定感が増した。加えてボールをすくってしまう悪クセも修正。「あと5ヤードほど飛距離も伸びていきますよ」と、コーチも今後の進化も見据えている。

もともと3か年計画での“完成”を目指して取り組んできた2人。しかし「反復練習などをしても、その習得が早い」というささきの能力もあって、計画1年目にして優勝という結果をたぐり寄せた。ちなみに現在の完成度は「まだ35%」。潜在能力に惚れ込んでいるのは、その話を聞くだけで十分に伝わってきた。

まだ22歳。今後さらなる活躍を期待される選手の一人にとって、今回の優勝がもたらした意味はとても大きい。(文・間宮輝憲)

<ゴルフ情報ALBA.Net>