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【小川淳子の女子ツアーリポート“光と影”】賞金女王、シード権争いはもう盛り上がるべきなのになぜ?

シーズン佳境となった日本女子ツアーが、今一つ盛り上がりに欠けるのはなぜだろう。理由の一端は、シード権争いと賞金女王争い、それにまつわる人間ドラマと言う一番面白い部分を、ツアー自体がまったく掘り下げないところにある。

昨年のメルセデス・ランキングの表彰式〜キーを持って笑顔を見せる鈴木愛

1試合1試合の結果、選手のプレーぶりを取り上げるのは当たり前だが、スポーツが感動を呼ぶのは、選手それぞれの人生が見え隠れするから。それがわかっていないとしか思えない。

残り7試合といっても、最終戦「LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」と、日米共同大会「TOTOジャパンクラシック」の2試合は、出場選手が限られるため、シード権争いは実質5試合にかかっている。10月に入れば、その話題でいくらでも引っ張れるのに、LPGAオフィシャルウェブサイトの内容はあくまで無難なもの。スタッツの中にあるランキングと、当たり障りのない話、それに選手個々の話にチラホラとシード権争いと賞金女王争いの話が入り混じるばかりだからだ。

プロゴルファーが“賞金稼ぎ”である以上、いかに生臭くても、そこから話をそらすわけにはいかない。ロレックス(女子世界)ランキングのように分かりやすいにしたのならそちらを取り上げてもいいのだが、日本ではメルセデスランキングというポイント制度を作ったものの、話題になるのはシーズン末のLPGAアワードの時だけで、定着しているとはいえない。積極的に告知されなければ、オフィシャルスポンサーのメルセデス・ベンツにもメリットは少ないのではないか。

シーズン終了へのカウントダウンが始まったのなら、ストーリーを読みながら常にランキングが見られるようにする、など、工夫のしようもあるだろう。その努力が全く見られない。せっかく、ファンは1試合、1試合の行方だけでなく、シーズンを通じた選手たちの動向を見つめているというのに、もったいない限りだ。

米国女子ツアーの残り試合数は日本よりも少なくあと6試合。最終戦とTOTOジャパンクラシックで出場選手が限られる事情は日本と変わらない。そんななか、賞金ランキングに目をやれば、畑岡奈紗が6位に位置している。6月の「ウォルマートNWアーカンソー選手権」で初優勝を飾り、それ以外にもメジャーの「KPMG女子PGA選手権」2位など、7度、トップ10にも入る安定感で、着実に賞金を積み上げてきた。首位を突っ走るアリヤ・ジュタヌガーン(タイ)の226万ドル余には遠く及ばないが、それでも約109万ドルを稼いでいる。それについてはもっと話題にしてもいいはずだ。

日本女子オープン2位の畑岡は、日本のLPGAのメンバーでもある。米国女子ツアーのPRをしたからといって、日本が損をするわけでもない。日米両方に興味を持ってもらえばいいのに、行動にうつさないのは怠慢としか言いようがないだろう。

放映権料の問題でスポンサーとの交渉が長引き、来年のスケジュールがまだはっきりしないLPGA。スポンサー獲得のために何より大切なのは、広報活動と誠意のはずなのだが…。(文・小川淳子)

<ゴルフ情報ALBA.Net>